【解説】靖国参拝はなぜダメなのか？批判の理由と歴代首相の行動を追う

靖国神社参拝に対する批判は、日本国内外で何十年も議論されてきた問題です。

特に中国や韓国を中心に、首相の靖国神社参拝が外交的な問題に発展することが多く、その背後には歴史的な背景や戦犯合祀の問題が関係しています。

本記事では、靖国神社参拝に対する批判の理由、歴代首相の行動、そして「なぜダメ」と言われるのかを解説します。

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靖国参拝とは？

まず、靖国神社の基本情報を押さえておきましょう。

靖国神社は1869年に設立され、国家のために命を捧げた戦没者を祀る神社です。

特に、日清戦争や日露戦争、太平洋戦争で戦死した人々が祀られています。

しかし、第二次世界大戦後の東京裁判でA級戦犯として処刑された人物も合祀されており、これが問題の根源となっています。

靖国神社が問題視される最大の理由は、A級戦犯が合祀されていることです。

A級戦犯とは、第二次世界大戦における戦争犯罪者として東京裁判で有罪判決を受けた人物たちを指します。

このため、日本の首相や閣僚が公式に靖国神社を参拝することは、戦争を肯定する行為と見なされ、中国や韓国をはじめとする国々から強い批判を受けます。

中国や韓国は、靖国参拝を「侵略戦争の美化」として批判しています。

特にA級戦犯が祀られていることから、参拝は戦争責任を否定していると見られ、国際的な摩擦を引き起こす要因となっています。

例えば、1985年に中曽根康弘元首相が「公式参拝」を行った際、中国から強い批判が寄せられました。これを受けて、彼は公式参拝を中止しましたが、それ以降も中国や韓国は、歴代の首相の参拝に対して敏感な反応を示しています。

靖国神社は宗教法人であり、公人による参拝は日本国憲法が定める「政教分離の原則」に違反するのではないかという議論も存在します。

特に、公費を使った参拝が問題視されており、この点でも国内で賛否が分かれています。

実際に、小泉純一郎元首相の靖国参拝は、福岡地裁で「違憲」との判決が下されたこともありました。

靖国参拝問題は、歴代の首相にも大きな影響を与えてきました。

中曽根康弘元首相
中曽根氏は、1985年に公式参拝を行いましたが、中国からの激しい批判を受け、翌年以降は公式参拝を取りやめました。この参拝が、外交問題としての靖国問題の始まりとも言われています。
小泉純一郎元首相
小泉氏は、2001年から2006年にかけて毎年参拝を続けました。特に2004年には、参拝が憲法に違反するとして裁判所から指摘され、国内外で大きな波紋を呼びました。しかし、小泉氏は「個人の信念」として参拝を続けたことが特徴です。
安倍晋三元首相
安倍氏も2013年に首相として靖国神社を参拝しました。この参拝は、現職の首相としては7年ぶりの訪問で、中国や韓国だけでなく、アメリカからも異例の「失望」声明が発表されるなど、国際的な批判が巻き起こりました。

外交関係の悪化
靖国参拝は、特に中国や韓国との外交関係を悪化させる大きな要因となります。参拝が行われるたびに、これらの国々から強い反発があり、日中、日韓関係が緊張する事態が繰り返されています。
内政問題の浮上
国内では、「政教分離」の問題が常に浮上します。首相や公人が公式に参拝することで、国が宗教活動に関わっているとみなされ、憲法違反の可能性が指摘されるのです。