「中国製EVは危険なの?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
2026年10月、ノルウェー軍の訓練で使用された中国製の車が、軍事施設の暗証番号などを記録していたことが報じられました。
身近な車が軍事機密に関わる情報を記録していたと聞くと、少し怖くなりますよね。
さらに気になるのが、記録された情報が中国に送られた可能性や、車が遠隔操作される危険性です。
日本でも中国製EVが販売されているだけに、他人事とは思えません。
私も気になって調べてみると、確認された事実と、まだ分かっていないことがあると気づきました。
この記事では、中国製EVの情報漏洩リスクやスパイ活動への悪用の可能性、日本での安全性について、実際のニュースや公的資料をもとにわかりやすく整理します。
- 中国製EVが軍事機密を記録した問題
- 情報漏洩やスパイ活動への悪用リスク
- 中国製EVの遠隔操作は可能なのか
- 日本で販売される中国製EVの安全性
中国製EVは危険なのか?ノルウェー軍の問題を整理
中国製EVは本当に危険なのでしょうか。ノルウェー軍の訓練中、中国製車両が軍事施設の暗証番号などを記録していたことが分かりました。
ただし、情報が中国に送信されたかどうかは確認されていません。まずは何が起きたのか、報道で分かっている事実から一緒に整理してみましょう。
中国製車両が軍事機密を記録したニュースとは?
2026年10月17日、AFPはノルウェー軍が使用していた中国製車両のカメラに、軍事施設の機密性の高い情報が記録されていたと報じました。
私も最初は、軍事施設が外部から撮影された事件なのかと思いました。しかし調べてみると、問題の車両は軍が訓練のために借りていたレンタカーだったのです。
では、実際に何が記録されていたのでしょうか。報道では、次のような情報が確認されています。
驚いたのは、車両のカメラが撮影した映像に、軍事施設の暗証番号まで含まれていたことです。便利な車載機能でも、使う場所によっては安全保障上のリスクになると分かります。
なお、記録されたことと、中国側に情報が漏洩したことは別の問題です。現時点で、車両がスパイ活動に使われたと断定できる情報は確認されていません。
今回の問題は、中国製EVの危険性が証明された事件というより、車載カメラが軍事機密を記録してしまうリスクが実際に表面化した事例と考えると分かりやすそうです。情報が外部に送信されたかどうかは、引き続き確認が必要です。
※2026年10月19日時点の報道をもとに整理。軍当局の説明はAFPの取材によるものです。
なぜ軍事施設の暗証番号まで記録された?
そもそも、なぜ車のカメラが軍事施設の暗証番号まで記録できたのでしょうか。
調べてみると、今回の問題を理解する鍵は、車載カメラが周囲の様子を撮影し、その映像を車内に保存できる仕組みにありました。
※一般的な録画の仕組みを示したイメージです。今回の車両で実際にどのカメラが作動したかは確認されていません。
ここで意外だったのは、暗証番号を車が文字データとして読み取ったとは限らないことです。
例えば、カメラに暗証番号の入力操作が映っていれば、後から映像を確認することで番号を知られる可能性があります。特別な情報解析機能がなくても、撮影した映像そのものが機密情報になり得るわけです。
現地報道では、兵士らが車載カメラの録画機能を作動させたままにしていたと伝えられています。ただし、問題車両の詳しい設定や、録画を防ぐための確認がどこまで行われていたかは、現在公表されている資料では分かりません。
私も最初は、中国製EVに特殊な監視装置が搭載されていたのかと疑問に思いました。しかし、今回の記録について、そのような装置が使われたと確認されたわけではありません。
今回の問題は、車が暗証番号を狙って収集したと考えるよりも、通常の録画機能が重要な情報まで記録してしまった可能性に注目すると理解しやすそうです。中国製EVの危険性を考えるうえでも、まずはカメラの撮影範囲や保存機能を把握することが大切だと感じました。
記録された情報は中国に送信されたのか?
中国製EVが軍事機密を記録したと聞くと、気になるのは「その情報は中国に送られたのか?」という点ではないでしょうか。
AFPの2026年10月17日の報道によると、中国を含む第三者に動画が共有されたかどうかは不明です。ノルウェー郷土防衛隊の報道官も、外部に共有された可能性を否定していません。
では、車両を提供した会社はどう説明しているのでしょうか。
レンタカー会社のハーツ・ノルウェーは、顧客データを保護しており、明確な法的根拠なしに個人情報をメーカーや第三者へ共有しないと説明しています。
ただし、今回の動画が実際に外部へ転送されたかどうかについては、明確に回答していません。 また、車両メーカーの長安汽車もAFPの質問に回答していないと報じられています。
私も最初は、通信機能がある車なら録画した映像も自動的にメーカーへ送られるのでは、と考えました。しかし、通信機能があることと、特定の動画が実際に送信されたことは別です。情報漏洩を判断するには、送信記録などの具体的な証拠が必要になります。
なお、現地報道では、兵士らが訓練後に車内の動画を削除したとされています。ただし、別の場所にもデータが保存されていたかどうかは分かっていません。
今回の事件で、中国製EVがスパイ活動に利用されたと断定することはできません。一方、外部送信の有無が分からない以上、安全性への懸念が完全に解消されたともいえません。私は、車両の製造国だけで判断するのではなく、保存先や通信先を確認できる仕組みが重要だと感じました。
中国製EVにはどんな情報収集機能がある?
最近の中国製EVは、単に電気で走る車ではありません。インターネットにつながり、さまざまな情報を処理する「コネクテッドカー」としての機能も備えています。
では、実際にどんな情報を集めるのでしょうか。中国の長安汽車やBYDが公開している資料を調べると、想像以上に幅広いデータが扱われていることが分かりました。
※メーカーの公開資料に記載された機能を整理したものです。すべての中国製EVが同じ情報を収集するわけではありません。
例えば長安汽車の公開資料では、ナビゲーションの位置情報、音声操作に使う音声、運転支援用の映像、車両診断データなどが説明されています。
さらに、車種によってはスマートフォンと連携し、離れた場所から車両の状態を確認する機能もあります。
私が意外に感じたのは、こうした情報収集の多くが、運転支援や故障診断など便利なサービスのために使われていることです。情報を集める機能があるからといって、それだけでスパイ活動や情報漏洩につながるわけではありません。
もう一つ気になるのが、集めたデータの保存先です。
日本自動車工業会によると、車載カメラの画像は車内で処理される場合もあれば、メーカーのクラウドに送られる場合もあるとされています。クラウドとは、インターネット上のサーバーのことです。
ただし、どの情報が送信されるかは車種やサービスによって異なります。今回ノルウェー軍が使用した車両についても、すべてのデータの保存先や通信先が明らかになっているわけではありません。
中国製EVの危険性を考えるときは、カメラや通信機能の有無だけでなく、何を収集し、どこに保存し、誰がアクセスできるのかまで確認することが大切そうです。便利さと安全性の両方を見る必要があると感じました。
中国製EVをスパイに使われた時の情報漏洩リスクと日本への影響

中国製EVがスパイ活動に悪用された場合、どのような情報漏洩が起きるのでしょうか。
気になるのは軍事機密だけでなく、日本の重要施設や私たちの生活への影響です。実際に確認された問題と、今後考えられるリスクを分けながら、安全性について整理していきます。
中国製EVはスパイ活動に利用される可能性がある?
結論からいうと、中国製EVがスパイ活動に悪用される可能性はあります。ただし、今回のノルウェー軍の事例で、意図的なスパイ活動が確認されたわけではありません。
私が気になったのは、普通の車がどのように安全保障上の脅威になるのかという点です。調べてみると、情報を集める機能そのものよりも、集めた情報を第三者が利用できる状態になることが問題だと分かりました。
施設周辺の警備体制や人の出入りなどを知られれば、警備上の弱点を探る材料になる可能性があります。
一つひとつは小さな情報でも、長期間集めることで施設の活動パターンなどを推測されるおそれがあります。
車両や関連システムに弱点があれば、外部から保存データを盗み取られる危険性も考えられます。
※いずれも想定される悪用例であり、今回の事件で実際に行われたと確認されたものではありません。
では、ノルウェー政府は中国製車両を禁止するのでしょうか。
2026年10月16日、ノルウェーのサンドビク国防相は議会への回答で、今回の訓練に使う中国製レンタカーについて、個別のリスク評価は実施していなかったと説明しました。
一方、問題の発見後には軍が対応し、録画データを削除したとしています。さらに、現時点では中国製車両を軍施設から一律に排除することは適切ではないとの考えを示しました。
私は、安全保障上の問題が起きた以上、中国製車両は禁止されるのではないかと思いました。しかし、ノルウェー政府は製造国だけでなく、現代の車両全般に共通するリスクとして捉えています。単純に中国製かどうかだけでは判断できない問題なのですね。
ノルウェー国家安全保障局も、特定の国の製品やサービスに過度に依存することへの警戒を呼びかけています。
中国製EVのスパイリスクを考える際は、「中国製だから危険」と決めつけるのではなく、誰がデータにアクセスできるのか、重要施設でどのような利用制限が必要なのかを見ることが大切だと感じました。日本でも参考になる考え方ではないでしょうか。
中国製EVは遠隔操作できるのか?
中国製EVは、離れた場所から勝手に操作される可能性があるのでしょうか。
調べてみると、ノルウェーでは2025年、中国メーカー宇通客車(Yutong)の電気バスを使った安全性試験が行われていました。
その結果、メーカーが通信回線を通じて車両の一部システムにアクセスでき、理論上はバスを停止させたり、使用不能にしたりする可能性が指摘されています。
※2025年に実施された2台の比較試験です。メーカーの全車種を比較した結果ではありません。
ここで知っておきたいのが、OTA(Over The Air)という技術です。スマートフォンのように、インターネット経由で車のソフトウェアを更新する仕組みを指します。
宇通客車のバスでは、この仕組みを通じてバッテリーや電力供給に関わる制御システムへアクセスできることが分かりました。
私も最初は、遠隔操作と聞いて、誰かが車のハンドルやブレーキを自由に動かせるのかと思いました。しかし、今回指摘されたのは主にソフトウェア更新を悪用した停止リスクです。外部から自由に運転できると確認されたわけではありません。
なお、宇通客車側は、ハンドルやブレーキなどの重要な機能を遠隔操作することはできないと説明しています。実際に不正な遠隔停止が行われたという事実も確認されていません。
試験を行ったRuterは対策として、外部から届く更新信号を監視・遅延させる仕組みを導入し、通信を管理する方針を示しました。
中国製EVの遠隔操作リスクは、すべての車が自由に操られるという話ではありません。重要なのは、外部からどのシステムにアクセスでき、どこまで操作できるのかという点です。便利な遠隔更新機能にも、安全性を確保する仕組みが必要だと感じました。
※2026年10月19日時点の公表資料をもとに整理。今回の電気バス試験は、前述のノルウェー軍のレンタカー問題とは別の事例です。
日本で販売される中国製EVは安全なのか?
ノルウェーでの問題を知ると、日本で販売されている中国製EVは大丈夫なのか、気になりますよね。
調べてみると、日本では中国製を含む輸入車にも、道路運送車両法に基づく保安基準への適合が求められることが分かりました。
つまり、中国製だから安全審査の対象外になるわけではありません。ただし、ここで注意したいのが、車としての安全性と情報管理の安全性は同じではないという点です。
ブレーキやハンドルなどについて、国内の保安基準への適合が求められます。製造国だけで審査の有無が決まるわけではありません。
対象車両には国際基準に沿った不正アクセス対策などが求められます。メーカーの管理体制や車両側の対策も審査対象です。
安全基準に適合していても、収集データの保存場所や海外への送信先まで、すべて保証されるわけではありません。
日本では2022年7月以降、対象となる新型車からサイバーセキュリティに関する国際基準が順次適用されています。
国土交通省も国会で、不正アクセスへの対策や、車両の安全に関わるソフトウェア更新機能の保護が必要だと説明しています。
私も最初は、日本で正式に販売されている車なら、情報漏洩の心配もすべて確認済みなのかと思いました。しかし、国の安全審査とデータの取扱いは別の問題です。安全基準に適合していることだけで、情報管理に危険がないとは言い切れないのですね。
では、購入を考える場合は何を確認すればよいのでしょうか。
位置情報や車内データを何のために利用するのか。
個人情報が海外の事業者に提供される場合、どのように説明されているか。
不具合や脆弱性が見つかった際、メーカーがどのように対応するか。
なお、日本で販売される中国製EVのすべてについて、情報漏洩の危険性を一律に判断できる公的な比較結果は確認できませんでした。車種ごとの情報を見ていく必要があります。
日本で販売されている中国製EVは、国内の安全基準に適合する必要があります。ただし、それだけで情報漏洩のリスクがゼロになるわけではありません。私は、製造国だけで危険と判断するより、国の基準とメーカーの情報公開を合わせて確認することが大切だと感じました。
※2026年10月19日時点の公表資料をもとに整理。車両の安全性は、車種・年式・適用される基準によって異なります。
中国製以外の車にも情報漏洩リスクはある?
中国製EVの危険性が注目されていますが、日本車や欧米メーカーの車なら情報漏洩の心配はないのでしょうか。
調べてみると、情報の不適切な収集や第三者への提供は、中国製以外の車でも問題になっていることが分かりました。
その代表例が、米国の自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)をめぐる問題です。
FTCはGMに対し、特定の信用情報機関への対象データの提供を5年間禁止するなどの措置を命じました。
ここで驚いたのは、問題が単なるハッキングではなかったことです。メーカー側が収集した情報を、利用者が十分に理解しないまま第三者へ提供していたことが問題視されたのです。
つまり、情報漏洩リスクを考える際には、外部から盗まれる危険だけでなく、企業がデータをどのように利用するかにも目を向ける必要があります。
GMの問題は、利用者の情報が不適切に第三者へ提供されたというもので、スパイ活動が確認された事件ではありません。また、米国での事例をそのまま日本車や欧州車すべてに当てはめることもできません。
米FTCは、コネクテッドカーの位置情報などが、個人の生活習慣を明らかにする可能性にも注意を呼びかけています。
国産車を含め、通信機能を備えた車では、データの利用目的や第三者提供の条件を確認することが大切です。
中国製EVだけが情報漏洩のリスクを抱えているわけではありません。今回のGMの事例から、私は「どこの国で造られた車か」に加え、「集めた情報を誰が、何のために使うのか」を確認することが重要だと感じました。
※2026年10月19日時点の公表資料をもとに整理。米国GMの事例は、ノルウェー軍の機密記録問題とは別の事例です。
【まとめ】中国製EVの危険性をどう判断すべきか?
ここまで調べてきて、私が最も大切だと感じたのは、中国製EVに情報漏洩のリスクがあることと、実際にスパイ活動が行われたことは別だという点です。
ノルウェー軍の事例では、車載カメラによる軍事施設の情報記録が問題になりました。しかし、記録された情報が中国へ送信されたかどうかは、現在公表されている資料では分かっていません。
また、米国GMの事例からも分かるように、情報の不適切な取り扱いは中国製EVだけの問題ではありません。
中国製EVを危険だと決めつけるのでも、安全だと言い切るのでもなく、「どんな情報を集めるのか」「誰がアクセスできるのか」「問題が起きたときに対処できるのか」を確認することが大切だと思います。
車の便利さが増すほど、情報管理の重要性も高まります。今回のニュースは、中国製EVの危険性だけでなく、私たちが車の安全性をどのような視点で考えるべきかを問いかける出来事だったのではないでしょうか。
【考察】ロシアのスパイ容疑とは?日本人記者の拘束から考える
【簡単解説】ベネズエラ問題とは?わかりやすく原因と現状を整理してみた
【初心者OK】一つの中国とは?わかりやすく意味や台湾との関係を整理してみた
この記事の参考資料
この記事は、報道機関の記事や公的機関の発表を参考に、2026年10月19日時点の情報を整理しています。
海外の資料には英語・ノルウェー語の記事が含まれます。本文では、確認された事実と、まだ明らかになっていない点を区別して紹介しています。


