【必読】なぜコメ不足？農家倒産・廃業の真実に迫る

最近、ニュースやSNSで「コメ不足」や「農家の倒産・廃業」が話題になっています。

一見、コメが不足しているのであれば農家には好機のように思えますが、実際には多くの農家が倒産や廃業に追い込まれています。

ここには複雑な背景と問題が絡み合っており、簡単に解決できる問題ではありません。

この記事では、コメ不足の原因や、なぜ農家が経営を続けられない状況にあるのかを分かりやすく解説し、今後の課題についても考察していきます。

記事のポイント

以上の内容でお届けします。

最後までご覧くださいね。

コメ不足はなぜ起こる？

コメ不足の主要な原因の一つは、気候変動です。

日本は四季がはっきりしており、稲作に適した気候を持っていますが、近年の異常気象は稲作に大きな影響を与えています。

特に高温多湿な夏や、急激な温度変化、台風の頻発が稲の生育に悪影響を及ぼし、コメの収穫量が減少しています。

高温障害: 夏の猛暑は稲の成長を妨げ、収穫量を大きく減らします。特に温度が高すぎると、稲が十分に成長せず、収穫されるコメの品質も低下します。
台風や豪雨: 異常気象により、台風や豪雨が頻発し、水害によって田んぼが浸水してしまうことも問題です。これによって稲が枯れることが多く、特に沿岸地域の農家に大きな被害が出ています。

もう一つの大きな要因は、農業に必要な資材の価格上昇です。特に肥料や燃料、農薬などは世界的な供給不足や輸送コストの増加により値段が急上昇しています。

2020年と比べて、肥料の価格は1.5倍、燃料も1.2倍にまで上昇しており、農家はそのコストを負担しなければならない状況です。

さらに、日本は多くの農業資材を海外から輸入していますが、円安の影響で輸入コストがさらに増加しています。こうした背景が、農家の経営を圧迫しています。

日本国内での米の消費量は、長年にわたり減少しています。

これには、パンやパスタといった他の主食の人気が高まったこと、ライフスタイルの変化、さらにはダイエット志向が影響しています。

これにより、米の需要が減少し、生産した米が売れ残るケースも増えています。

若者の米離れ: 特に若い世代は、米を食べる機会が減り、パンやスナック、外食が増えています。この米離れが、農家の経営に影響を与えています。
高付加価値米のニーズ: 健康志向や食の多様化に伴い、低農薬米や無農薬米、高級ブランド米への需要はあるものの、これらの生産には高い技術やコストがかかり、小規模な農家には負担が大きいです。

コメ不足の一方で、農家の倒産や廃業が急増しています。ここには、いくつかの深刻な要因が存在しています。

前述のように、肥料や燃料の価格高騰が農家に大きな打撃を与えています。

特に小規模な農家にとっては、毎年の収入が不安定であるため、こうした急激なコスト上昇に対応するのは難しく、多くの農家が倒産や廃業を選ばざるを得ない状況です。

利益の圧縮: コメの価格が上がらない中で、コストだけが上がるため、農家の利益がほとんど出なくなっています。特に収益が少ない年には、次の年の資材を購入するための資金が足りず、経営が行き詰まるケースが多発しています。

日本の農業全体で問題になっているのが、農家の高齢化と後継者不足です。

若者が都市部へ移住し、農業を継ぐ人が少なくなっているため、多くの農家が高齢者のみで運営されています。そのため、身体的な限界や家族の反対で廃業を決断するケースが増えています。

高齢化による労働力不足: 農家の多くは高齢者が主体となっており、年々体力の衰えにより、農業を続けるのが難しくなっています。これが倒産・廃業の一因となっています。

農業はテクノロジーの進化とともに効率化が進んでいますが、特に小規模な農家では新しい技術や設備を導入するための資金が不足しています。

最新の農業技術を導入できないため、効率が悪く、コスト削減ができず、結果的に経営が厳しくなるケースが増えています。

ここで、農家が直面している具体的な課題を整理してみましょう。

これらの要因が、農家の経営を圧迫し続けています。

2024年、帝国データバンクの調査によると、米農家の倒産や廃業の件数は過去最多を記録する見込みです。2023年には、年間で35件の倒産・廃業が発生しましたが、2024年は1月から8月の時点ですでに34件の倒産・廃業が発生しています。このままのペースでいけば、40件を超えることが予想されています。

もしこの状況が続けば、日本国内の米供給はさらに減少し、将来的なコメ不足が深刻化する可能性があります。また、農家の数が減ることで、国内の食料自給率も低下し、日本の食料安全保障が危機にさらされることになります。

こうした危機に対して、次のような対策が必要とされています。

新規就農者支援: 若者が農業に興味を持ち、後を継ぐ環境を整えるため、国や地方自治体は新規就農者への補助金や教育プログラムを強化しています。
テクノロジーの導入支援: 効率的な農業を可能にするため、スマート農業技術の普及や、ドローン、AI技術を活用した農作業の自動化が進められています。
消費者教育の強化: 消費者に対して、米の重要性や食料自給率の向上についての啓発活動が必要です。また、健康志向に合わせた高付加価値米の需要を増やす取り組みも重要です。