食品衛生法のポジティブリストとは?初心者にもわかりやすく全体像を整理
スーパーやコンビニで何気なく手に取る食品。
その安全って、実は「中身」だけじゃなく「触れている容器や包装」までルールで守られているのを知っていますか?
最近よく聞く「食品衛生法」「ポジティブリスト」という言葉、調べてみると条文や専門用語が多くて、正直よくわからない…と感じた人も多いはずです。
しかも
「リストにないとダメ?」
「0.01ppmって危険?」
など、不安をあおる情報も混ざりがち。
でも大丈夫。
実はこの制度、考え方はとてもシンプルで、私たちの生活に直結しています。
この記事では、食品衛生法のポジティブリストを初心者でもわかりやすく、消費者・事業者・学生それぞれの視点から整理します。
難しい話をかみ砕いて、
「結局なにが安全で、何を知っておけばいいのか」
がスッと理解できる保存版ガイドです。
- ポジティブリストの意味
- 対象は主に食品接触プラ
- 0.01ppmの考え方を理解
- 表示は食品表示法と分担
- 事業者の実務対応も整理
- 食品衛生法×ポジティブリストをわかりやすく全体理解
- 食品衛生法のポジティブリストをわかりやすく実生活に落とす
食品衛生法×ポジティブリストをわかりやすく全体理解

まず最初に:食品衛生法は「食べ物だけ」を見ている法律じゃないです🍱
食品の安全は「食べ物そのもの」だけじゃなく、触れている容器や器具も大事です。
この章では、食品衛生法が何を守る法律なのかを入口から整理しつつ、ポジティブリスト制度を「OKだけ使えるルール」としてやさしく説明します。条文の位置づけや対象(主にプラスチック)も、難しい言葉を避けてイメージでつかめるようにまとめます。
食品衛生法ってそもそも何を守るルール?
食品衛生法は、飲食が原因の健康被害を防いで、国民の健康を守るための法律です。目的条文(第1条)でも、この趣旨がはっきり書かれています。
- 体:食中毒・有害物質で体調を崩さない
- 食べ物の中身:危ない食品・添加物が出回らない
- 作る・運ぶ・売る現場:衛生管理がちゃんと回る
「食べ物」だけじゃなく、食べ物に触れるもの(まな板・お弁当箱・ラップなど)も対象になります。
だからこそ後半で出てくるポジティブリスト(材料のOKリスト)が効いてくるんです。
| カテゴリ | ざっくり何を決めてる? | 身近な例 |
|---|---|---|
| 食品 | 腐敗・汚染・有害物質などを防ぐための禁止事項や基準 | 生食用の取り扱い、基準を超えるものの流通禁止 など |
| 添加物 | 使ってよい添加物・使い方(量や用途) | 保存料・着色料など(※食品表示法の表示とも関係) |
| 器具・容器包装 | 食品に触れる道具・入れ物の安全(材料・溶け出し等) | お弁当箱、ラップ、まな板、食品トレー など |
| 表示・広告 | ウソや誤解を招く表示の禁止など(※表示の中心は食品表示法) | 「治る」などの言い切り、誇大広告の規制 など |
| 監視・検査・営業 | 保健所の立入、検査、営業許可・届出などの仕組み | 飲食店の営業許可、食品工場の衛生管理 など |
| 輸入 | 海外から入る食品の届出・審査・検査 | 輸入菓子・輸入食材のチェック(検疫所) |
- 消費者に近いところだと、食品に触れる容器や器具も対象。
- 海外から入る食品は、輸入時の届出・審査・検査という仕組みで守られます。
- 表示は食品表示法が中心ですが、食品衛生法にも広告のルールなどが残っています(役割分担がある)。
ポジティブリスト制度とは?「OKだけ使える」考え方
ポジティブリスト制度は、ざっくり言うと 「合格したものだけ使っていいよ」というルールです。 逆に、リストにいない(=安全チェックが終わっていない)ものは、基本的に使えません。
遊園地でいうと、身長の基準をクリアした人だけ乗れるのと同じ。「ダメな人を探して止める」よりも、最初からOKの人だけ通すほうが安全だよね、という発想です。
- 安全性のチェック(体に悪い影響がないか、など)
- 使い方の条件(使える量・用途の範囲、など)
- 情報の管理(取引先に「適合」を伝える仕組み、など)
- 国(行政)が「使っていい物のリスト」を用意する(例:材料・混ぜるもの・使い方の条件がセットになっている)
- 事業者は「リストに合う材料」だけで作る(リスト外を入れたいなら、審査→追加の手続きが必要になる)
- 取引先には「適合している」ことを伝える(サプライチェーンで“OK品”がつながるようにする)
- 検査・監視でズレがないかチェック(ズレがあれば是正、重大なら回収や行政対応につながることも)
具体的な条文番号・対象材質・リストの掲載場所(告示の別表など)の厳密な話は、後続の「何条?」「対象は何?」で一次情報を根拠に整理します。
ネガティブリストとの違いを一言で整理
一言:「ダメなものだけ書いておく」
- 基本は自由に使える
- 危険がわかったものを後から追加で禁止
- “未知のもの”が入り込みやすい
一言:「OKなものだけ通す」
- 基本は使えない(=リストに載ったら使える)
- 新しい物は“安全チェック→追加”が前提
- “予防”の考え方に近い
(条件がある=守りやすい、というメリットもあります)
どんな人に関係する?消費者・学生・事業者の視点
私たちが買う食品は、食べ物だけじゃなく包装や容器にも触れています。
ポジティブリストは、その「触れる部分」に使う材料を最初から絞ることで、リスクを減らす考え方です。
- 「なんか不安…」の“材料面”の対策
- 買う側が全部調べなくても、ルールで守る
食のルールは「事故が起きてから止める」より、起きる前に減らす方向に進みがちです。
ポジティブリストは、その代表的な考え方。法律・行政・科学(安全評価)がつながる教材としても優秀です。
- 「予防」の発想(リスクを先に潰す)
- 法令→運用(現場)に落ちる流れが見える
事業者にとってのキモは、自社が使う材料がOKかどうかを確認し、取引先に伝えること。
つまり「安全に作る」だけでなく、安全だと説明できる状態を作るのが重要になります。
- 仕入れ先からの情報収集が必須
- 書類・証明の“運用”が品質の一部になる
食品衛生法のポジティブリストは何条?根拠条文の位置づけ
食品衛生法におけるポジティブリスト制度は、食品衛生法 第18条(とくに第3項)を根拠にしています。 ここで「政令で定める材質の器具・容器包装は、基準に適合した物質しか使えない」という考え方が、法律レベルで決められました。
第18条のポイントを、法律用語を使わずに言い直すと、だいたいこんな意味です👇
- 食品に触れる道具や容器は、安全な材料で作られていないとダメ
- 特に重要な材質(今はプラスチック)は、国がOKした物質だけ使える
- OKかどうかは、法律 → 細かい決まり → 具体的なリストという順番で決める
ここで「OKした物質の一覧表」が、いわゆるポジティブリストです。
条文→政令→告示の「決まり方」をやさしく図解イメージ
「考え方」を決める
→ 第18条で「安全な材質を使いなさい」「詳しいことは下で決める」と方向性だけを示す
「対象」を決める
→ どの材質が厳しく管理されるかを指定(例:合成樹脂=プラスチック)
「中身」を決める
→ 使っていい物質の名前・条件・量を、一覧表(ポジティブリスト)として具体化
しょっちゅう変えない
→ 基本の考え方を安定させる
社会の変化に合わせて調整
→ 対象範囲を見直せる
科学的知見で柔軟に更新
→ リストを追加・修正できる
対象は何?いま主に「食品に触れるプラスチック」
ここ、いちばん混乱しやすいポイントです🙌
食品衛生法のポジティブリスト(器具・容器包装)は、なんでもかんでも全部が対象…ではなく、 「食品に触れる合成樹脂(=ざっくり言うとプラスチック)」が中心です。
つまり、同じ製品でも「どの層が合成樹脂なのか」「どの部分が食品に触れるのか」で、対象かどうかが決まります。
食品衛生法第18条第3項でいう「政令で定める材質」は、食品衛生法施行令で 「合成樹脂」と明示されています。つまり制度の中心は、いまのところ 食品に触れるプラスチック系です。
- e-Gov:食品衛生法施行令(第18条第3項の「政令で定める材質=合成樹脂」)
- 消費者庁:器具・容器包装のポジティブリスト制度(2025年6月1日施行の案内・別表PDF等)
ふつうの使い方で食品が触れる面かどうかを確認。
触れる面の材質がプラスチック系(合成樹脂)なら対象になりやすい。
印刷・コーティング・蒸着みたいに層が分かれる場合は、独立した層として判定する考え方があります。
対象になりやすい身近な例(容器・包装・器具)
- お弁当箱・保存容器(プラ容器)
- カップ麺の容器・フタ
- 惣菜のトレー、プリンカップ 等
- 食品用ラップフィルム
- 個包装の内側フィルム(食品に接する側)
- パウチの内側層(食品接触面)
- 使い捨てスプーン・フォーク(樹脂)
- シリコン系のキッチンツール(※樹脂扱いの整理が論点になりやすい)
- 食品製造で使う樹脂部品(ホース、パッキン等)
ポジティブリストで容器包装はどこまで対象?初心者向けにやさしく整理 →
対象外になりやすい例(食品に触れない部分など)
たとえば、パッケージの外側・持ち手・外装など、通常の使用で食品が接触しない部分は、 すべてが自動的に対象になるとは限りません。
たとえばガラス・金属・無機系などの層が独立していて、食品接触面側に合成樹脂の層がない場合は、 その独立層は対象外という整理が出てきます(層ごと判定)。
製品を作ったあとに蒸着や被膜(コーティング)をする場合、その膜が“独立した層”として見られることがあります。
「対象かどうかは、その層が合成樹脂かどうかで判断」という考え方が示されています。
食品接触面が合成樹脂(プラ)
多層・印刷・被膜などで層ごと判定
食品が通常触れない部分/合成樹脂じゃない独立層
ここでは「対象になりやすい・外になりやすい」を、一般向けにわかりやすく整理しました。
ただ、実際は製品の層構成(食品接触面がどの材質か、独立層か)で結論が変わります。
迷ったときは、消費者庁の「対象についてのQ&A」や、制度ページの別表(ポジティブリスト)を一次情報として当てるのが安全です。
「食品に触れない部分」「装置の非接触部」など、対象外の線引きは例で見ると一気にラクになります。
ポジティブリストの対象外まとめ|対象範囲と外れる条件をやさしく解説
対象となる物質は?「材料」と「混ぜるもの」を分けて覚える
ここを分けて考えると、一気にわかりやすくなります🧩
食品衛生法のポジティブリストでは、対象となる物質を ①プラスチックそのもの(材料)と、 ②性質を調整するために混ぜるもの に分けて考えます。
プラスチックの土台・骨格
→ 形を作るメインの成分
性質を安定・調整する補助役
→ 割れにくく、すべりやすく など
材料(プラスチックの本体)って何?
材料とは、容器や包装の形そのものを作っているプラスチックです。
専門用語では「合成樹脂」や「高分子」と呼ばれますが、ここでは プラスチックの本体と思えばOKです。
- ポリエチレン(ラップ・袋)
- ポリプロピレン(保存容器・カップ)
- PET(飲料ボトル)
材料は「この種類のプラスチックはOK」という形で整理され、
基本的に使用量の上限は設けられていません。
混ぜるもの(安定させる・すべらせる等)って何?
「混ぜるもの」は、プラスチックを使いやすく・安全にするために 少しだけ加えられる成分です。
ポジティブリストでは、こちらの方が細かい条件付きで管理されます。
- 熱や光で劣化しにくくする(安定)
- 成形しやすくする(流れを良く)
- くっつきにくくする(すべり)
- 安定剤
- 滑剤
- 可塑剤 など
- ポジティブリストの物質は「材料」と「混ぜるもの」に分けると理解しやすい
- 材料=プラスチックの本体(種類で管理)
- 混ぜるもの=性質調整用(量や使い方まで管理)
※ここでつまずきやすいのが「対象物質って結局なに?」という点です。 ポジティブリストの対象物質を、身近な例でやさしく整理した解説 を先に読むと、この先の内容がスッと理解しやすくなります。
0.01ppmって何?「超少ないならOK」の例外ルール
「0.01ppm」って、いきなり出てくるとビビりますよね…😅
これはポジティブリスト制度の中にある、いわば“超ちょびっとならOK”という例外ルールの目安です。
大事なのは、どこでも使える魔法の数字じゃないこと。使える場面がちゃんと決まっています。
ppmは「100万分のいくつ?」という単位。
0.01ppmは、100万の中に0.01だけ…つまり超ミニです。
食品の世界では、ppm ≒ mg/kg(だいたい同じイメージ)として扱うことがあります。
なので 0.01ppm ≒ 0.01mg/kg(=1kg中に0.01mg)という感覚で読むと楽です。
- 「0.01ppm」は“限りなくゼロに近い”レベルの目安
- ただし「ゼロじゃない=危険」ではない(後でやさしく説明します)
どんな場面で出てくる数字?
0.01ppmの考え方は、食品衛生法第18条第3項のただし書で出てくる「人の健康を損なうおそれのない量」という発想を、具体的な数字にしたものです。
そしてポイントは、資料上は“食品に接触がない部分に限る”という条件つきで説明されていることです。
- パッケージの外側(食品が触れない面)のインキ・コート
- 外装フィルムやラベルなど、食品から距離がある部分
- 二重構造で、食品接触面とは別の層にある成分
現実のモノづくりでは、完全なゼロにするのが難しい“微量”が出ることがあります。
そこで「健康に影響が出ないくらい小さいなら、実務的にはOK」という線引きが必要になります。
リストに載ってる物質だけ使える(OKだけ通す)
食品に触れない部分で、食品への溶出が0.01ppm未満なら「使用可能」と説明されるケースがある
誤解しやすいポイント(ゼロじゃない=危険ではない)
❌ ゼロじゃない → 危険
⭕ どれくらいの量かで判断する
水も塩も、たくさん飲み食いしすぎると体に悪いですよね。
逆に、ほんの少しなら問題になりにくい。
つまり「危険かどうか」は、存在するかより量が大きいんです。
- 「0.01ppm」は“なんでもOK”の数字ではありません(適用条件つき)。
- 製品の構造(多層か、独立層か)や用途で扱いが変わることがあります。
- 現場で判断に迷うときは、消費者庁の制度ページやQ&Aで“そのケース”を当てるのが安全です。
作る側の実務:適合してるかを「伝える義務」がある
ここは“作る側”がいちばん戸惑いやすいポイントです⚠️
ポジティブリスト制度では、「ちゃんと守って作る」だけでは足りません。 その材料や製品がポジティブリストに適合していることを、取引先に伝えるところまでがセットです。 いわば「安全です」と説明できる状態を作ることが、実務として求められます。
伝えるべきなのは、配合レシピそのものではなく、 「この製品はポジティブリストに適合しています」という適合情報です。 つまり、“OKかどうか”を伝えるのが基本で、“どう作ったかの詳細”までは原則不要です。
取引先に何を伝えればいい?(ざっくりでOKな範囲)
- ポジティブリストに適合していること
- 対象となる材質(例:合成樹脂)で基準を満たしていること
- 食品接触用途として使用可能であること
- 配合比率や製造ノウハウ
- すべての化学物質名の開示
- 社外秘の技術情報
書類(適合確認)のイメージを持つ
- ポジティブリスト適合証明書
- 適合確認書・適合宣言書
- PL適合に関する回答書
- 対象製品・品番
- 食品衛生法PL制度に適合している旨
- 発行日・発行者(会社名)
国が一律の様式を配っているわけではありません。 業界や取引関係に応じて、「適合していることが分かる形」であればOKとされています。
- 作る側には「適合していることを伝える責任」がある
- 伝えるのは中身の詳細ではなく適合の事実
- 書類は「次の人が安心できるか」を基準に考える
「適合していることをどう伝えればいい?」「適合宣言書って必要?」と感じたら、 実務対応に特化した解説はこちらで詳しく整理しています▼▼▼
厚生労働省・消費者庁の役割分担をわかりやすく整理
「結局、どっちが何をやってるの?」が一番混乱しやすいところです🤔
食品衛生法やポジティブリストの話を見ていると、 厚生労働省と消費者庁が両方出てきます。 でも役割はハッキリ分かれていて、ポイントを押さえると意外とシンプルです。
ルールを作る側
(基準・リスト・考え方を決める)
現場で見る側
(検査・監視・指導をする)
ルールを作る側/現場で見る側の違い
- ポジティブリストの中身(何がOKか)を決める
- 告示・基準・Q&Aなど公式ルールを整備
- 食品表示法も所管(表示ルールの中心)
- 「どうあるべきか」を考える役割
- 保健所・検疫所を通じて監視・検査
- 違反があれば指導・回収・行政対応
- 食中毒対応や輸入食品のチェック
- 「守られているか」を見る役割
ルール作りと現場チェックを同じ組織が全部やると、 視点が偏ったり、チェックが甘くなったりするリスクがあります。
- 消費者庁:消費者目線でルールを作る
- 厚労省:医療・衛生の現場力で実行する
- → 分けることでチェックと透明性が高まる
実際の運用では、消費者庁と厚生労働省が連携しながら動いています。 ただ、考え方としては「作る側(消費者庁)/見る側(厚労省)」と分けて理解すると、 ポジティブリスト制度全体がグッと見えやすくなります。
食品安全基本法と食品衛生法の関係を「司令塔と現場」で理解
名前が似ててややこしいけど、仕組みはけっこうスッキリです🙌
ざっくり言うと、食品安全基本法=国全体の「司令塔ルール」、食品衛生法=現場で使う「実行ルール」。
「どう安全を判断するか(考え方)」と「何を守らせるか(具体ルール)」を分けているのがポイントです。
「どれくらい危ない?」を科学的に見る(食品安全委員会)
基準を作って、守らせる(消費者庁・厚労省など)
国・企業・消費者が情報を行き来させる
- 国の食品安全の基本ルール(考え方)を決める
- 食品安全委員会を内閣府に置き、リスク評価を独立させる
- 「科学で評価 → 行政が管理」という枠組みを作る
- 食品・添加物・器具容器包装などの具体ルールを定める
- 基準を作る/守られているか監視・指導する
- 違反時の回収・営業停止など実務の武器を持つ
↓ 「科学的に評価する仕組み」を用意
食品安全委員会:リスク評価(独立して中立に見る)
↓ 評価結果をふまえて
消費者庁・厚労省など:リスク管理(基準づくり&現場監視)
↓ 最後に
消費者・事業者と情報共有(リスクコミュニケーション)
近年は、食品衛生の「基準を作る仕事」が厚労省から消費者庁へ移管される流れがあり、 公的資料でも「基準行政は消費者庁、監視行政は厚労省」という分担が説明されています。
なので、ここでは「司令塔(基本法)→評価(食品安全委員会)→管理(消費者庁・厚労省)」の順で理解すると、 迷子になりにくいです。
食品衛生法のポジティブリストをわかりやすく実生活に落とす

ここからは「結局、私たちの安全って何で守られてるの?」に答えるパートです🙌
この章では、輸入食品のチェック、食中毒(微生物基準)、表示の考え方など、身近な場面とつなげて理解できるように整理します。最後にQ&Aとまとめで、モヤモヤしやすいポイントをスッキリ解消します。
消費者が気になる「安全性」は何で担保される?
「安全です」って言われても、目に見えないから不安になりますよね。 でも実際は、1つの仕組みだけじゃなくて、重ねがけで守られています。 たとえるなら、ヘルメット+シートベルト+ブレーキみたいな感じです🪖🚗
「材料の安全」+「作り方の衛生」+「表示のルール」
食品に触れるプラスチック(合成樹脂)は、「OKの物質だけ使える」仕組みになっています。 だから、変な成分が“入り込みにくい”設計です。
- 何がOKか:リストで明確
- どれくらいOKか:条件付きで管理
- 適合情報の伝達:取引で確認しやすい
どれだけ材料が良くても、作り方が雑だと危険です。 だから工場やお店では、汚れ・菌・混入を防ぐルールが動いています。
- 手洗い・温度管理・清掃
- 異物混入の予防(髪・金属片など)
- 記録を残して“やった証拠”を作る
消費者が店頭でできるのは、基本「表示を見る」こと。 だから表示のルールは、安全の最後の砦になります。
- 原材料・アレルギー
- 賞味期限・保存方法
- 事業者の連絡先など
作り方が不衛生なら、食中毒リスクは残る
表示が曖昧だと、アレルギーなどで困る人が出る
材料の安全が不明だと、そもそも安心できない
- 期限・保存方法を確認(暑い日に放置しない)
- アレルギー表示をチェック(体質に合わない事故を避ける)
- 心配なら「高温になる使い方」を避ける(例:電子レンジ対応表示の確認)
輸入食品とポジティブリストの関係:どこでチェックされる?
「海外から来た食品って、本当に安全なの?」という疑問、ここで解消します✈️🍫
輸入食品は、日本に入る前後で何重にもチェックされます。 ポジティブリストは、その中でも容器・包装など“触れる部分”の安全を担う重要なピースです。
輸入食品は、日本に入るタイミングで、書類と検査による確認を受けます。 ここで基準に合わないと、国内に流通できません。
輸入時に出す書類と検査の流れ(超ざっくり)
海外で製造 → 日本に向けて出荷
輸入者が食品等輸入届出書を提出(原材料・製造方法・容器包装など)
残留農薬・添加物・微生物・容器包装の基準適合など
国内流通OK(スーパー・コンビニへ)
- 原材料・添加物はOKか
- 日本の基準に合っているか
- 危険な成分が含まれていないか
- 食品に触れる部分の材質
- ポジティブリスト適合か
- 溶出の問題がないか
作る途中・出荷後に
保健所が監視
日本に入る前後で
まとめてチェック
実務では、リスクの高いものを重点的に検査する運用がされています。 ただし、書類に不備があったり、過去に問題があった品目は、検査命令が出て通関できないこともあります。 つまり「書類+検査」の組み合わせで、入口で落とす仕組みになっています。
微生物基準って何?食中毒を減らすための決まり
「菌って目に見えない」からこそ、“ルール化”が超大事です🦠
微生物基準(びせいぶつきじゅん)は、かんたんに言うと 「この食品は、菌が増えすぎてない状態で出してね」という決まりです。ポジティブリストが「容器など材料の安全」を守るのに対して、微生物基準は食品そのものの安全を守る役割があります。
- 食中毒につながる菌が増えすぎてない?
- 製造・保存の状態が悪くなってない?
- 加熱不足・冷却不足が起きてない?
感覚で「大丈夫そう」は危険。
だから検査で測れる形にして、合格・不合格を判断できるようにします。
何を使っていいか(OKの物質)で守る
→ 容器・包装・器具が中心
どれくらい菌がいるか(増えてないか)で守る
→ 食品そのものが中心
代表例:冷凍食品などは菌の基準がある
冷凍食品は「凍ってるから安全」と思われがちですが、実は作る途中や解凍後に菌が増えるリスクがあります。
だから一部の食品では、菌の基準(検査して満たすべき目安)が決められています。
- そのまま食べる・加熱が弱い
- 大量に作って長く流通する
- 温度管理ミスが起きやすい
冷凍は菌を殺すというより、増えにくくする方法。
だから「作った時点で清潔か」「加熱が十分か」が超重要になります。
HACCPとつながる「作る工程の管理」
できあがった食品を検査して、合格ラインかを見る。
→ ただし、検査は“抜き取り”になりやすいのが現実。
作る途中で危ないポイントを決めて、そこでミスらないように管理する。→ 「事故を起こさない設計」に近い。
- 微生物基準:テストの点数で合格か見る
- HACCP:毎日の勉強のやり方を決めて、落第しないようにする
- 両方あるから、安全が強くなる
表示は何のため?食品表示法との分担をやさしく整理
表示は「安全の最後のバトン」です🏁
ポジティブリストや衛生管理で安全を積み上げても、買う人が判断できなければ意味がありません。 そこで登場するのが「表示」。食品表示法と食品衛生法は、役割を分けてこの“判断材料”を支えています。
食品表示法は消費者が選ぶための情報をそろえる法律。 食品衛生法は健康被害につながる言い方(NG表現)を止める法律。 同じ“表示”でも、見ている方向が違います。
アレルギー・期限・原材料など「選ぶための情報」
消費者が自分に合う食品かどうかを判断できるようにするため。
- 体質(アレルギー)に合うか
- いつまで食べられるか
- 何から作られているか
- 原材料名(多い順)
- アレルゲン表示
- 賞味期限/消費期限
- 保存方法
- 事業者名・連絡先
食品衛生法の表示(NG表現)と混ざりやすい点
食品衛生法は、健康被害につながる言い方を止める役割。
- 病気が治る・防げるような表現
- 科学的根拠のない安全強調
- 誤解を招く表示・広告
- 「表示」=全部食品表示法、と思いがち
- 実は言い方のNGは食品衛生法側
- 健康食品・サプリは特に境界が分かれやすい
「ちゃんと原材料を書いてるから大丈夫」と思っても、 表現の仕方次第で食品衛生法に引っかかることがあります。 表示は内容(食品表示法)と言い方(食品衛生法)の両方を見るのが安全です。
- 食品表示法=選ぶための情報をそろえる
- 食品衛生法=危ない言い方を止める
- 同じ「表示」でも役割が違うと理解すると迷わない
食品衛生法の歴史を最短で:大きな改正の流れ
ポジティブリストは、いきなり出てきた制度じゃありません📜
食品衛生法は、食の事故や社会の変化に対応しながら、少しずつ姿を変えてきました。 ここでは「細かい年表」は省いて、今につながる3つの転換点だけを最短で押さえます。
- 2006年:食品そのもの(残留農薬)
- 2020年:食品に触れるもの(容器・器具)
- 2024年:ルール作りの体制(行政の役割)
2006年:残留農薬のポジティブリスト(食品そのもの)
最初にポジティブリストが本格導入されたのは、食品そのものが対象でした。 海外から入ってくる食品で、日本では使われていない農薬が検出される問題が背景です。
ダメな農薬だけを禁止する(ネガティブリスト)
OKな農薬だけ使える(ポジティブリスト)
2020年:器具・容器包装のポジティブリスト(プラスチック等)
次に広がったのが、食品に触れる側へのポジティブリスト。 食べ物が安全でも、触れている容器や道具が危険だったら意味がありません。
食品に触れる合成樹脂(プラスチック)
材料・混ぜるものをOKリスト方式で管理
2024年:基準づくりの体制見直し(消費者庁の役割拡大)
そして最近の大きな動きが、「誰がルールを作るか」の整理です。 基準づくりの役割が、消費者庁に集約されました。
基準・告示・リストを作る(ルール設計)
現場の監視・検査・指導(運用)
- 2006年:食品そのものを守る
- 2020年:食品に触れるものまで守る
- 2024年:守り方の仕組みを整える
事業者向け:現場で困りやすいポイントと対策
現場がつまずくのは「法律が難しいから」より、だいたいココです😅
ポジティブリスト対応は、①情報が集まらない/②対象かどうか迷うで止まりがち。
ここでは、現場が動くように「集め方」と「切り分け方」を超実務でまとめます。
仕入れ先から必要情報が出てこない
(出てきても粒度がバラバラ)
自社製品が対象/非対象/一部だけ対象なのか曖昧
「食品」「容器」「印刷」「接着」など、担当部署が割れて漏れやすい
仕入れ先から情報を集めるコツ
- 製品名・型番・グレード
- 主材(樹脂・ゴム・紙など)
- 添加剤・接着剤・インキ等(わかる範囲)
- 食品に直接触れる?間接?
- 温度(常温/冷凍/加熱)
- 接触時間(短時間/長時間保管)
- 適合の説明書(宣言書・証明書)
- 仕様書・SDS(ある範囲で)
- 試験成績書(必要なときだけ)
- 最初は用途(食品接触・温度・時間)だけでも先に聞く
- 次に型番とグレードを揃える(ここがズレると全崩れ)
- 最後に証拠書類(宣言書→必要なら試験)へ進む
【質問例(コピペOK)】
- この製品(型番:____)は、食品に直接接触しますか?用途想定を教えてください。
- 使用温度帯(常温/冷凍/加熱)と接触時間(短時間/長期保管)の想定はありますか?
- 適合の根拠として、適合宣言書・仕様書等を提供可能でしょうか?
- (必要な場合)試験成績書の有無/実施条件(温度・溶媒等)も教えてください。
自社の製品が対象かどうか切り分ける
- 食品に直接触れる容器・包装
- 中栓・内側コート等、内面材
- 食品接触部の樹脂パーツ
- 印刷インキが接触面に近い
- 接着剤・コート剤が層に入る
- 食品接触の可能性がある工程
- 食品に触れない外装(完全に隔離)
- 接触しない機械の外装部材
- 食品と物理的に接点がない部品
- 型番が同じでも配合や添加剤が変更されることがある
- 用途が変わる(常温→加熱、短期→長期)と前提が崩れる
- 変更連絡ルール(変更通知の受領・保管)を仕組みにすると強い
よくあるQ&Aで誤解をほどく(初心者向け)
ポジティブリストは「言葉だけ見ると怖い」制度です😅
ここでは、検索でもよく出てくるありがちな勘違いをQ&A形式で整理します。 どれも「そう思っちゃうよね…」というポイントなので、安心して読み進めてください。
「リストにない=全部ダメ?」
基本は使えないけど、条件つきの例外はあります。
食品に直接触れる部分で、意図的に使うなら原則NG。 ただし、食品に触れない部分で、食品への移行が超微量(0.01ppm未満)なら、例外的に整理されるケースがあります。
「0.01ppmって危険なの?」
危険だから0.01ppmなのではありません。
「人の健康に影響が出ないくらい、限りなく小さい量」の目安が0.01ppm。 ゼロを求めすぎると現実の製造が止まるため、安全側に倒した線として使われています。
「対象は添加物(食べ物に入れるもの)なの?」
ちがいます。 ここでのポジティブリストは、容器・包装・器具の話です。
食品添加物は「食べ物の中に入れるもの」。 容器包装のPLは「食べ物に触れるもの」。
- 食品添加物:食品衛生法の別ルールで管理(指定制)
- ポジティブリスト:容器・器具の材料を管理
- 「同じ法の中にあるけど、見ている対象が違う」
「じゃあ、食品に入る添加物はポジティブリストでどう考えればいい?」という疑問は、こちらの記事でやさしく整理しています▼▼▼
まとめ|食品衛生法・ポジティブリストをわかりやすく理解するポイント
最後に「ここだけ押さえればOK」という形で整理します🧩
食品衛生法のポジティブリストは、言葉だけ見ると難しそうですが、 考え方・対象・役割分担を分けて見ると、かなりシンプルな制度です。
- OKな物質だけ使える仕組み(原則)
- 対象は主に食品に触れるプラスチック(合成樹脂)
- 食品そのもの・衛生管理・表示とは役割が分かれている
- 材料・作り方・表示の三重ガードで守られている
- 店頭では表示を見ることが最大の自衛
- 「司令塔(基本法)→現場(衛生法)」で理解すると迷わない
- ポジティブリスト=予防の考え方
- 守るだけでなく「適合を伝える」ところまでが仕事
- 仕入れ先との情報のつながりが重要
- リストにない=全部ダメ → 使い方次第で例外あり
- 0.01ppm=危険 → 安全側に倒した超微量の目安
- 添加物の話? → 容器・包装・器具の材料の話
食品衛生法のポジティブリストは、 「危ないものを探して止める」より、「安全なものだけ通す」ための制度です。 その考え方を知っているだけで、ニュース・表示・実務の見え方が一段クリアになります。



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