「ポジティブリストの対象外」って、調べれば調べるほど分からなくなりませんか?
リストに載っていないから対象外?ゴムや手袋は全部対象外?装置や機械は関係ない?──
そんな疑問が次々に浮かんで、判断に迷ってしまう人は少なくありません。
実はこの混乱、あなたの理解力が足りないわけではなく、ポジティブリストの考え方そのものが直感とズレていることが原因です。
「対象外=安全」
「対象=危険」
と思ってしまうと、余計に不安になりますよね。
この記事では、食品衛生法のポジティブリストについて、何が対象で、どこから対象外になりやすいのかを初心者向けにやさしく整理します。
難しい条文や一覧表に振り回されず、判断の軸がスッと分かるようになります。
- 対象外=安全ではない
- 食品に触れるかが分かれ目
- 装置は部品単位で見る
- 一覧より判断の軸が重要
- 手袋は用途で切り分ける
「対象外」だけ先に読むと、どうしても線引きがブレやすいです。
先に 別記事で食品衛生法のポジティブリスト全体像 をサクッと押さえたい方はこちら👇
【保存版】食品衛生法のポジティブリストをわかりやすく全体像を整理|対象・仕組み・注意点
ポジティブリストの対象外とは?まず押さえたい基本の考え方
「対象外」=危険、ではありません。食品に触れるか・触れ方で整理するとスッと理解できます。
ここでわかること
- 対象外の共通ルール
- 食品に触れる/触れないの切り分け
- 一時的 vs 恒常的な接触の考え方

「対象外」って言葉、ドキッとしますよね。
「ポジティブリストの対象外」と聞くと、「安全じゃないもの?」「使ってはいけないの?」と不安になる人も多いかもしれません。しかし実際には、対象外=危険という意味ではありません。
まずは、ポジティブリストがどこまでを対象としていて、どんな考え方で「対象外」が決まるのか、基本からやさしく整理していきましょう。
一次情報が必要な細部は断定しません
製品ごとの最終判断(例:特定素材の適否や最新運用)は、取引先の仕様書・適合確認書・公的資料の最新版で確認が必要です。 ここでは「考え方」を中心にまとめ、一次情報がここで確定できない部分は推測を含みます。
① ポジティブリストで「対象外」と判断される共通ルール
まずは「対象外」になりやすい共通ルールを押さえます。ここを理解すると、細かい例で迷いにくくなります。
結論(ざっくり)
「対象外」になりやすいのは、食品に触れない/触れる想定がない部分・使い方です。
ポイント
製品を「まるごと」で見ずに、食品に触れる“場所”と触れ方(頻度・時間)で切り分けます。
誤解しやすい
「対象外=安全」でも、「対象=危険」でもありません。意味が違います。
食品に触れるかどうかが分かれ目になる
いちばん大事なのはこれ👇
「食品に触れる(接触する)部分」=チェック対象になりやすい
「食品に触れない部分」=対象外になりやすい
✅ 対象になりやすい(例)
- 食品が入る・乗る・通るところ(容器の内面、袋の内側など)
- 食品が当たる・こすれるところ(羽根の表面、滑り台の内面など)
- 食品をつかむ・押さえるところ(トング先、ヘラ面、すくう部分)
⚠️ 対象外になりやすい(例)
- 外側・持ち手の外面など、食品が当たらない部分
- 脚・土台・外装カバーなど、食品から離れている構造部
- 食品接触面ではない表示・装飾部分(用途次第)
よくある誤解(ここ大事)
「食品に触れない=何でもOK」とは限りません。使い方次第で食品に触れてしまう設計だったり、 破損・ズレ・液だれで食品に触れる可能性が高い場合は、対象として扱うほうが安全と考えられます(最終判断は仕様と運用次第)。
迷ったときの「3秒チェック」
① 当たる?
入る・通る・乗る・こする…食品が当たる?
② 当たりやすい?
通常運転で何度も当たる?毎日使う?
③ 当たる可能性が高い?
ズレ・液だれ・破損で当たりそう?
どれか1つでも「はい」なら、対象側として確認したほうが安心です。
一時的な接触と恒常的な接触の考え方
同じ「食品に触れる」でも、触れ方でリスクのイメージが変わります。 ここでは難しい数値を覚えるより、時間と回数でざっくりつかみましょう。
| 触れ方 | イメージ | 例 | 考え方(ざっくり) |
|---|---|---|---|
| 一時的な接触 | 「ちょんっ」と触れる | 短時間だけ触れる道具/一瞬触れて離れる | 触れる時間が短くても、毎日くり返すなら確認が大切。 「短い=無視してOK」とは限りません。 |
| 恒常的な接触 | ずっと当たっている | 容器の内側/配管の内面/食品が流れる面 | 触れる時間が長いほど、材料の確認が重要になりやすい。 まずは「接触面の素材」と「用途」を押さえます。 |
現場で役立つ:触れ方チェック
- 触れる時間:一瞬?数分?何時間も?
- 触れる回数:たまに?毎日何回も?
- 温度:冷たい?常温?熱い?(熱いほど注意が必要になりやすいと考えられます)
- 食品のタイプ:油っぽい?酸っぱい?(性質で影響が変わることがあると考えられます)
「対象外にしていいか不安」なときの逃げ道
STEP 1
食品に触れる可能性があるか(通常+ズレ・液だれ)
STEP 2
触れるなら接触面の素材(樹脂・ゴム・金属など)を確認
STEP 3
仕様書・適合確認書の有無を取引先・仕入先に聞く
② ポジティブリストの対象外になりやすい代表的なケース
ここでは「よくある現場のパターン」を集めて、対象外になりやすい理由とつまずきポイントをセットで整理します。 すでに前の見出しで触れた“基本ルール”はくり返さず、具体例に寄せていきます。
このパートの結論
「対象外になりやすい」のは、食品に触れない“部分”だけとして使われるケースが多いです。
ただし注意
「対象外っぽい」だけで決め打ちすると危険。ズレ・液だれ・破損で食品に触れる可能性があると、話が変わります。
迷いが減るコツ
製品名で判断せず、「この部品はどこにある?」「その面は食品に当たる?」で切り分けます。
食品に直接触れない部分だけの使用
「この部分は食品に触れないよね?」というタイプです。
たとえば持ち手や外側、外装のカバーなど、食品が当たらない位置にあるパーツは、対象外になりやすいと考えられます。
✅ 対象外になりやすい“部分使い”
- 容器の外側(食品が触れない外面)
- 器具の持ち手(先端ではない部分)
- フタの外側や飾り(食品に当たらない想定)
- パッケージの外装(内側の袋ではない)
⚠️ “対象外っぽい”のに要注意
- フタの裏が意外と食品に当たる構造
- 液体がたれて外側に回る使い方
- ズレると食品に触れるギリギリ設計
- 劣化・破損で接触面が変わるケース
現場での結論の出し方(超かんたん)
この3つがそろっていれば、対象外として扱いやすいです。1つでも不安なら、対象側として確認が安全です。
不足情報について
ここで挙げた例は「考え方」です。素材や用途によって個別判断が必要なため、 製品ごとの最終判断に必要な一次情報(仕様書・適合確認書など)が手元にない場合は、現時点で確実には断定できません。
装置や設備のうち食品非接触部分
これは工場・厨房・製造ラインでめちゃくちゃ多いです。ポイントはシンプルで、
「装置まるごと」じゃなくて、「食品に触れる“部位”だけ見る」という考え方です。
✅ 非接触になりやすい部位(例)
- 機械の脚や土台
- 外側のカバーやフレーム
- 操作部のボタン・取っ手(食品から離れている)
- 電気系の配線・モーター周辺
⚠️ “非接触のつもり”で事故りやすい
- 洗浄で水が回り込む → その水が食品側へ
- 粉体・液体が飛ぶ/はねる工程
- ガードの隙間から食品が入り込む構造
- 交換部品を間違えて接触部に流用してしまう
いちばん強い整理法
装置を「食品ゾーン」と「非食品ゾーン」に分けて、部品を貼り分けるイメージ。 迷う部品は食品ゾーン寄りで扱うと失敗が減ります。
| 区分 | どこ?(イメージ) | よくある例 | 判断のコツ |
|---|---|---|---|
| 食品ゾーン | 食品が入る・通る・乗る | ホッパー内面/配管内面/ベルト表面 | 原則、対象として確認が必要になりやすい |
| 境界ゾーン | 近い/飛ぶ/はねる可能性 | ガード周辺/受け皿の外側/カバーの裏 | ズレ・液だれ・洗浄を想定して安全寄りに倒す |
| 非食品ゾーン | 食品から離れている | 脚/外装フレーム/モーター周り | 原則対象外になりやすい(ただし運用次第) |
現場で「対象外」と言い切る前に、これだけ確認
ここが弱いと、あとで「実は食品側だった…」が起きがちです。迷ったら対象側として資料確認がいちばん早いです。
ここは断定しません(一次情報が必要)
「この装置のこの部品が絶対に対象外」といった型番・メーカー単位の断定は、一次情報(仕様書・適合確認書・運用条件)がないとできません。 ここではあくまで切り分けの考え方を提供しています。
③ ポジティブリストの対象外と誤解されやすいポイント
ここは検索で一番ひっかかりやすい落とし穴です。前のパートが「対象外になりやすい形」なら、 ここは「対象外っぽく見えるけど、そうとは限らない」を整理します。
誤解あるある
「リストにない=対象外」と早とちり
整理のコツ
「対象外」と「確認不足」は別
結論
迷ったら資料(仕様・適合確認)で詰める
「リストに書いていない=対象外」ではない理由
先に結論:リストに「そのままの言い方」で載っていないことは、よくあります。
なので「見つからない=対象外」は、かなり危険なショートカットです。
✅「載ってないように見える」主な理由
- 製品名ではなく、材料名・成分名で書かれている
- 別名(呼び名違い)で載っている(現場呼称とズレる)
- 「単体」ではなく分類やグループでまとめて書かれている
- あなたが探しているのは「物」なのに、リストは「混ぜるもの」側で載っている
⚠️ 早とちりが起きるパターン
- 「ニトリル手袋」など商品名・用途名で探して見つからない
- 素材が複合(樹脂+ゴム+接着)で、どれを探すべきか不明
- “触れる面”と“触れない面”が混ざっていて、部分判断が必要
「見つからない」を解決する3ステップ(超かんたん)
STEP 1
製品名→接触面の素材名に変換する
STEP 2
素材が複合なら部品ごとに分ける
STEP 3
最後は仕様書・適合確認書で答え合わせ
これで「載ってないと思ったけど、探し方がズレてただけ」がかなり減ります。
不足情報について
ここでは「一般に起きる誤解」を整理しています。特定の材料・成分がリストに載っているかどうかの断定は、 その時点の公的資料(最新版)を照合しないと確実に言えません。
安全性と対象外は別物という考え方
ここ、かなり混ざりがちです。
「対象外」は、ざっくり言うと“このルールのチェック範囲の外”という意味。
一方で「安全」は、体に悪い影響が出にくい状態かという意味です。
つまり、同じ言葉じゃありません。
対象外(ルールの話)
- 「この制度で見る範囲」から外れている
- “食品に触れるかどうか”など使い方・場所の話になりやすい
- 対象外でも、別のルールや社内基準で確認することはある
安全性(体への影響の話)
- 材料が溶け出す(移る)量が少い…など影響の話
- 温度・時間・食品の性質で変わりやすい
- 「対象外だから安全」も「対象だから危険」も、どっちも短絡になりがち
よくある“ズレ”の例(イメージで理解)
例1:対象外でも注意が必要
食品に触れないはずの場所でも、液だれや洗浄で食品側に回り込むなら、 安全面の心配はゼロになりません(運用次第)。
例2:対象でも“即危険”ではない
対象=「確認が必要」なだけで、危険と決まったわけではありません。 ちゃんと管理されていれば普通に使えるケースも多いです。
混ざったときの“仕分け質問”
ここを分けるだけで、「対象外ってことは安全だよね?」みたいな危ない近道を防げます。
④ ゴム・樹脂・金属はポジティブリストの対象外なのか
ここ、検索でめちゃくちゃ混乱しやすいところです。結論から言うと、素材名だけで「対象外」とは決められません。 でも安心してOK。「どこに使われる?食品に触れる?どの面?」の順で見れば、だいぶ整理できます。
いちばん大事
素材より先に、食品に触れる“面”を特定する
判断のコツ
「製品まるごと」じゃなく、部品・層で分ける
ありがちミス
「金属だから対象外」「ゴムだから対象外」と決め打ち
まずは超ざっくり整理(ここで“考え方”を揃える)
| 素材 | よくある使われ方 | 対象外と誤解しやすい理由 | 現場の見方(おすすめ) |
|---|---|---|---|
| 樹脂(プラ系) | 容器・包装・チューブ・コーティングなど | 「ポジティブリスト=プラの話」と覚えていて混乱 | 食品に触れる面の樹脂を特定して確認 |
| ゴム | パッキン・Oリング・手袋・ベルトなど | 「ゴム=対象外」と言い切る情報が出回りがち | 接触面かどうか+用途(食品接触想定)で整理 |
| 金属 | 鍋・トング・刃・配管・タンクなど | 「プラの制度だから金属は関係ない」と思いがち | 金属でも樹脂コートやゴム部品が混ざるので“層”で見る |
注記
「ゴムは絶対対象外」「金属は絶対対象外」みたいな断言は、一次情報(製品の仕様・用途・接触条件)なしにはできません。 ここでは、迷いを減らす整理法を中心に書きます。
ゴム製品がすべて対象外ではない理由
「ゴムって対象外でしょ?」と言いたくなる気持ちは分かります。が、ここは要注意。
なぜならゴムは“食品に触れる部品”として使われることが多いからです(パッキンとか、まさにそれ)。
✅ 「対象外」と言いやすいゴムのイメージ
- 食品に触れない場所のゴム(外装の滑り止め等)
- 食品から距離がある操作部(グリップ等)
- ズレても食品に当たりにくい構造
⚠️ 「対象外」と言い切りにくいゴムのイメージ
- パッキン・Oリングなど、食品側を密閉する部品
- ベルト・ローラーなど、食品が触れたり擦れたりする部品
- 洗浄で回り込んで食品側に触れる可能性が高い箇所
なぜ「ゴム=対象外」って誤解されやすいの?
理由1
制度の話が「プラ中心」に見えるので、ゴムが抜け落ちやすい
理由2
「ゴム製の製品名」で探して、リスト上の“材料名”にたどり着けない
理由3
食品に触れるのが“たまに”なので軽く見られがち
ゴムで迷ったら、これだけチェック(超実用)
どれかが強いなら、「対象外」と言い切らず、資料で詰めたほうが安全です。
金属や複合素材の扱い方
金属は「プラの制度だから関係ない」と思われがち。でも現場の製品って、だいたい“混ざってる”んですよね。
金属でも、樹脂コーティングがあったり、ゴムのパッキンがついてたり、接着剤が使われてたり…。 だからコツはこれ:「層(レイヤー)で分ける」です。
① ベース素材
金属(本体・骨組み)
② 表面の層
樹脂コート、塗装、めっき、フィルム
③ つなぐもの
接着、パッキン、シール材、ガスケット
✅ 単純な金属(見やすい)
- 食品に触れる面が「金属そのもの」
- コートや樹脂部品がほぼ無い
- 交換部品が少ない
⚠️ 複合素材(ここで迷う)
- 接触面が「樹脂コーティング」になっている
- 継ぎ目に「ゴム・接着」が入っている
- 洗浄・摩耗で表面が変わる可能性がある
金属・複合素材で迷ったときの順番(これで詰むのを防ぐ)
STEP 1
食品に触れるのはどの面?
STEP 2
その面の表面層は何?(コート・塗装)
STEP 3
継ぎ目のパッキン・接着は?
STEP 4
最後に仕様書・適合確認で答え合わせ
この順番で見ると、「金属だから関係ないと思ってたけど、実は接触面が樹脂コートだった」みたいな見落としが減ります。
ここは断定しません(一次情報が必要)
「この金属製品は(またはこのコートは)絶対に対象外/対象」といった製品単位の断定は、 仕様(表面層・添加・接着)と運用(温度・時間・洗浄)を見ないと確実に言えません。
⑤ ニトリル手袋はポジティブリストの対象外なのか
これは現場で一番よく聞かれる質問です。 結論を急ぐ前に、「手袋の役割」と「制度が見ている対象」を切り分けると、混乱がかなり減ります。
先に結論イメージ
ニトリル手袋は原則として「作業用」。 だから自動的に対象になるわけでも、対象外と断言できるわけでもありません。
ここが分かれ目
「食品を包む・入れるもの」か、 「人の手を守るためのもの」か。
実務の考え方
制度の対象かどうかと、安全に配慮すべきかどうかは別で考えます。
作業用手袋と器具・容器包装の違い
ニトリル手袋を考えるときは、まずここを分けます👇 「人の手のためのもの」か、「食品そのもののためのもの」か
作業用手袋(ニトリル手袋)
- 目的は人の手を守ること
- 着ける主体は作業者
- 食品に触れるが、食品を包むための物ではない
- 使い捨て・交換前提で使われる
器具・容器・包装
- 目的は食品を入れる・包む・支える
- 食品が直接・継続的に触れる
- 繰り返し使われる、または保存に使われる
- 制度上のチェック対象になりやすい
👉 同じ「食品に触れる」でも、役割がまったく違うのがポイントです。
なぜ現場で混乱が起きやすいのか
ニトリル手袋は、制度・安全・現場感覚がごちゃっと混ざりやすい存在です。 その理由を整理すると、だいぶスッキリします。
理由①
「食品に触れる=ポジティブリスト対象」と短絡しやすい
理由②
商品説明に「食品用」「食品対応」と書かれていて、制度と混同されやすい
理由③
衛生管理(HACCPなど)と制度の対象範囲が混ざって説明されがち
混乱をほどく3つの仕分け質問
この3つを分けて考えるだけで、「対象外かどうか」の判断ミスが激減します。
ここは断定しません
「このニトリル手袋が絶対に対象/対象外」といった商品単位の断定は、 仕様・用途・接触条件の一次情報がないとできません。
ポジティブリストの対象外になる範囲と外れる条件を整理

ポジティブリストでは、すべての製品や装置が一律に対象になるわけではありません。食品に触れるかどうか、どの部分で使われるのかによって、判断が分かれます。
ここでは、対象外になりやすい範囲や外れる条件を具体例とともに整理し、「自分の場合はどう考えればいいのか」がイメージできるように解説します。
この章のゴール
「対象」「対象外」を言葉の印象で決めず、範囲→条件で判断できるようにする
いちばん大事
製品名ではなく、食品に触れる“面”と“部品”で見る
つまずきやすい所
「一部だけ対象」「一部だけ対象外」で話が分かれやすい
① ポジティブリストの対象範囲をやさしく整理
ここは「対象外」の逆から攻めるパートです。先に対象の外枠を掴むと、あとで「外れる条件」がすっきりします。 難しい言い方は抜きで、日常の例でいきます。
まず超ざっくり:対象範囲のイメージ
つまり「食品の近くで使われるもの全部」ではなく、食品に触れる面・部位が主役になりやすい、という感覚です。
対象になる「器具」「容器」「包装」の考え方
ここで言う「器具」「容器」「包装」は、スーパーで見る言葉のままでもOKです。
ただし大事なのは、呼び名よりも「食品に触れる“面”がどこか」です。
器具(ツール)
食品を切る・混ぜる・すくうなどに使う道具。
例:おたま、ヘラ、トング、計量スプーン など
容器(いれもの)
食品を入れる・保存するいれもの。
例:タッパー、ボトル、弁当箱、食品用トレー など
包装(つつむ)
食品を包む・密閉するためのもの。
例:ラップ、袋、内袋、フィルム、ふたのシール など
✅ 迷いにくい見方
- 「これは何と呼ぶ?」より食品に触れる面
- 「一回触れる」でも触れるなら候補
- 食品が通る・落ちる・当たるも“触れる”に近い
⚠️ 迷いがちパターン
- 装置の部品で「器具?設備?」と呼び名で迷う
- 食品に触れるのは一部なのに、製品全部で判断する
- 「外側は触れない」つもりでも、液だれ・粉飛びがある
| 分類 | 食品との距離 | 見るポイント | よくある例 |
|---|---|---|---|
| 器具 | 触れることが多い | 先端・内面など接触面 | ヘラ、トング、こし器 など |
| 容器 | 内面が触れる | 内側の壁・底・フタ裏 | ボトル、トレー、弁当箱 など |
| 包装 | 直接触れやすい | 食品に当たるフィルム面 | 袋、ラップ、内袋 など |
不足情報について
ここは“考え方の整理”です。法律上の厳密な定義や、特定の製品がどこに分類されるかは、 製品仕様・用途・運用条件(温度、時間、洗浄など)で変わり得ます。
製品全体ではなく一部だけが対象になるケース
ここがいちばん混乱ポイントです。
「この製品は対象?対象外?」って丸ごとで決めたくなるんですが、 現実は“接触する一部だけ”が主役になりやすいです。
✅ “一部だけ対象”になりやすい例(イメージ)
- フタの内側は食品に触れるが、外側は触れない
- 容器本体は触れるが、外装カバーは触れない
- 金属本体でも、接触面が樹脂コートになっている
- 装置の部品で、食品が当たるのは一部のローラー表面だけ
⚠️ “一部だけ対象外”に見えて危ない例
- 外側のつもりでも液だれで食品に当たる
- ズレると接触するギリギリ構造
- 洗浄で水が回り込み、食品ゾーンに移る
- 交換部品の流用で、非接触部品が接触側に付く
「一部だけ対象」をスムーズに切り分ける手順
STEP 1
食品に触れる面を丸で囲む(内側・先端・通り道)
STEP 2
その面の素材(層)を特定する(コート・ゴム・接着含む)
STEP 3
触れない部分は対象外候補として分離(ただし運用も見る)
STEP 4
最後に仕様書・適合確認書で答え合わせ
これをやると、「製品名で探して迷子」から抜け出しやすいです。
チェックリスト(“一部だけ対象”でよく漏れる点)
⑥ ポジティブリストの対象外となる装置・設備の考え方
「装置(機械)って対象なの?対象外なの?」は、現場ほど迷います。
でもコツはシンプルで、“機械まるごと”ではなく、食品に触れる“部品”と“面”で考えます。ここを押さえると一気に整理できます。
このパートの狙い
装置=対象外と決めつけず、見る場所を特定して判断する
いちばん大事
食品が通る・当たる・溜まる場所は要チェック
落とし穴
“食品非接触”のつもりでも、液だれ・粉飛び・洗浄で接触になる
製造機械や調理機器はどこまで見るのか
まず大前提:機械本体が対象かどうかより、食品が触れる「接触部」を見ます。
ざっくり言うと、機械の中でも「食品が通る道」だけが重要になりやすいです。
✅ 見るべきゾーン(食品ゾーン)
- 食品が直接触れる部品・内面
- 食品が通るシュート・ホッパー・搬送部
- 食品が溜まる・擦れる場所(隙間・継ぎ目)
- 洗浄で食品側に回り込みやすい部位
✅ まずは優先度が下がるゾーン(非食品ゾーン)
- 外装カバー・脚・フレーム(食品が当たりにくい)
- 操作パネル・スイッチなど手で触る場所
- 食品の通り道から離れた配線・モーター周り
「どこまで見る?」を迷わないための目印
このどれかに当てはまる部位は、たとえ機械の「一部」でも見ないと危ないことが多いです。
不足情報について
「この機械は対象外」といった機械単位の断定は、構造・運用・接触条件(温度・時間・洗浄)を見ないとできません。 一次情報(図面・材質表・仕様書)がない場合は、現時点で確実に言えません。
部品単位で判断する際の注意点
部品単位で判断するのは正解なんですが、注意点があります。
それは「部品の名前」じゃなくて、部品の“触れ方”で見ること。ここを外すと迷子になります。
⚠️ よくある落とし穴
- 「金属だからOK」と思っていたら、接触面が樹脂コートだった
- 継ぎ目にゴム・シール材・接着が入っていて見落とす
- 非接触のつもりが、液だれ・粉飛びで結局当たる
- 洗浄で回り込んで、食品側に移動する
- 交換部品で材質が変わっても、更新されない(資料が古い)
✅ つまずかない対策
- 接触面を写真や図でマーキング(内面・先端・通路)
- 「層」で分ける:本体→コート→シールの順で確認
- “触れない”は運用込みで判断(液だれ・洗浄まで想像)
- 交換部品は型番・材質を必ず控えて更新
部品単位で判断する“鉄板の順番”(これが最短)
STEP 1
食品が通る場所を区切る(食品ゾーン化)
STEP 2
接触面の表面材を特定(コート・塗装含む)
STEP 3
継ぎ目のゴム・シールを拾う
STEP 4
仕様書・材質表・適合確認で答え合わせ
これをやると、「装置は対象外でしょ?」みたいな雑な判断から抜けられます。
最後に“見落とし防止”チェック
⑦ ポジティブリストとネガティブリストの違いから見る対象外
「対象外」って言葉、実は制度の“型(考え方)”の違いから自然に出てきます。
ここでは難しい法律用語は置いといて、“ルールの作り方の違い”として、スッと理解できるように整理します。
覚え方(超簡単)
ポジティブ=「OKを決める」
ネガティブ=「NGを決める」
混乱が減る視点
「対象外」は安全かどうかじゃなく、リストの型の話になりやすい
ありがち誤解
「リストにない=対象外(OK)」と誤読しやすい
考え方の違いをシンプルに比較
ここは“学校のルール”で例えると早いです。
ポジティブとネガティブは、同じ「安全のため」でもルールの書き方が違います。
ポジティブリスト(OK方式)
- OKなものを先に決める
- リストに載っている=使えるが基本
- リストにないと「確認が必要」になりやすい
- 「対象外」という言葉が出やすい(後述)
ネガティブリスト(NG方式)
- ダメなものを決めて禁止する
- リストに載っている=使えないが基本
- リストにないなら「禁止ではない」と読みやすい
- 「対象外」というより「禁止かどうか」で話が進みやすい
| 観点 | ポジティブ(OK方式) | ネガティブ(NG方式) | 対象外が出やすい側 |
|---|---|---|---|
| 読み方 | 載ってる=OK | 載ってる=NG | ポジティブ |
| 迷いポイント | 載ってない=?(確認) | 載ってない=禁止ではない | ポジティブ |
| 現場の会話 | 「これ対象?対象外?」 | 「これ禁止?」 | ポジティブ |
👉 「対象外」って言葉は、OK方式のほうが会話に出やすいんです。
対象外という言葉が生まれやすい理由
「対象外」が出やすいのは、ポジティブ方式だと“線引きの質問”が必ず発生するからです。
たとえば現場では、次の2つが同時に起きがちです。
現場の気持ち(現実)
- 毎回確認するのは大変
- 一言で「OK/NG」を言いたい
- だから「対象外」という便利ワードが出る
制度の読み方(ルール)
- OKは明確にしたい
- でも現実は製品が複雑(部品・層・運用)
- だから「対象外かどうか」は条件付きになりやすい
「対象外」が生まれる典型パターン(会話の流れ)
①
「これリストに載ってない…」
②
「じゃあ対象外ってこと?」
③
(本当は)「条件を見ないと判断できない」
④
結局、対象外と言い切るのが危ない場面が出る
だからこの記事では、「対象外」を便利な言葉として使いすぎないように、判断の軸を分解してきました。
⑧ ポジティブリストの一覧表はなぜ分かりにくいのか
「一覧表を見たけど、正直…よく分からない!」ってなりますよね。
それ、あなたの理解力の問題じゃなくて、一覧表の“作られ方”と“現場の見たい情報”がズレてるのが大きいです。 ここでは、そのズレをほどいて「読み方のコツ」に落とします。
一覧表の役割
「全体のルールを公開する」ための表で、初心者向けの説明書ではない
現場が知りたいこと
「この製品は対象?対象外?」の判断の近道
この記事の方針
一覧表を“読む”より、判断の軸で切り分ける
公式リストと実務上の理解のズレ
公式の一覧表は「法律のルールを漏れなく書く」方向に寄りがちです。
一方、現場は「今この部品を使っていいの?ダメなの?」という即答を求めがち。
ここがズレの正体です。
公式リストが得意なこと
- ルールを統一の形で載せる
- 物質・材料などを網羅的に並べる
- 専門家が参照できる正確さを優先する
現場が欲しいこと
- 製品名・用途からすぐ判断したい
- 装置の部品単位でOK/NGを知りたい
- 「対象外になりやすい例」を具体例で見たい
ズレが起きる典型パターン(あるある)
パターン①
現場:「この製品名で載ってない!」
パターン②
公式:「製品名じゃなく材料・物質で見てね」
パターン③
結果:「対象外?」と言葉だけが先走る
不足情報について
このパートは「なぜ分かりにくいか」の構造説明です。実際の公式一覧表の細かい項目や版(更新)によって、 読み方・用語・分類は変わり得ます。いまこの場では一次情報(該当する公式表の最新版)を参照していないため、 特定の表の項目を断定して説明することはしません。
一覧より「判断の軸」が大切な理由
一覧表は“答えの辞書”っぽく見えるんですが、実務ではそうならないことが多いです。
理由は単純で、現場の製品は複合素材だったり、部品ごとに役割が違ったり、接触条件が変わるから。
だからこそ、先に判断の軸を持つのが最短ルートです。
判断の軸(この順で見ると迷いが減る)
この軸を通すと、一覧表は「答え」じゃなくて最後の確認(答え合わせ)として使えるようになります。
一覧先行(迷いやすい)
- 製品名で探す → 見つからない
- 「対象外?」と言いたくなる
- 結局、条件を見ていなくて判断ミス
軸先行(早い)
- 接触面 → 部品 → 材質 → 運用を整理
- 必要な情報(仕様書等)が明確になる
- 最後に一覧で“答え合わせ”できる
まとめ|ポジティブリストと対象外を正しく理解するポイント
最後に、この記事で何度も出てきた「ポジティブリスト」と「対象外」の考え方を、 迷わない形でギュッと整理します。
ポイント①
対象外=安全ではありません。 「対象外」はこの制度でチェックする範囲の外という意味で、 安全性そのものとは別の話です。
ポイント②
判断は製品名ではなく、 食品に触れる「部品」「面」「触れ方」から考えるとブレません。
ポイント③
「リストに書いていない=対象外」と早合点しない。 探し方が製品名ズレ・材料名ズレしているだけのことも多いです。
迷ったときは、この順番で考える
この流れで整理できれば、「対象外かどうか」で迷う時間はかなり減ります。
✅ 次に読むならこれ
対象・仕組み・注意点をまとめて整理した記事です。
食品衛生法のポジティブリスト全体像まとめ(保存版)
🧠 読み方のコツ
「対象外」だけで不安になったら、全体像→対象→対象外 の順で読むとスッキリします。


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