【保存版】ポートフォリオとは?
投資初心者向けに分散・割合・作り方を整理してみた
「ポートフォリオとは、投資ではどんな意味?」
「株や投資信託を始めたいけれど、何をどのくらい持てばいいの?」
と迷っていませんか。
投資について調べると、分散投資や60/40ポートフォリオ、現金比率などさまざまな言葉や数字が出てきて、初心者ほど「結局、自分はどうすればいいの?」と分からなくなりがちです。
ですが、最初から難しく考える必要はありません。
ポートフォリオとは、簡単にいえば自分が持つ資産の組み合わせのこと。
この記事では、投資におけるポートフォリオの基本から、分散する理由、株式・債券・現金の割合、30代・40代で考えたいポイント、投資信託を使った作り方まで、具体例を交えながら初心者向けにやさしく整理していきます。
- ポートフォリオは資産の組み合わせ
- 分散投資で偏りを抑えやすくする
- 理想の割合は人によって異なる
- 現金比率は使う時期から考える
- 投資信託でも分散はできる
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ポートフォリオとは?投資での意味と分散の基本を整理

投資について調べていると、「ポートフォリオ」という言葉をよく目にします。難しそうに感じますが、基本は「自分のお金をどの資産に、どのように分けて持つか」という考え方です。
まずは、投資におけるポートフォリオとは何なのか、分散投資や長期投資とどのような関係があるのかを、初心者にもわかりやすく整理していきます。
投資ポートフォリオとは簡単に言うと何ですか?
投資ポートフォリオとは何かを一言で表すなら、「金融商品の組み合わせ」と考えるとわかりやすいでしょう。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)でも、ポートフォリオを「金融商品の組み合わせ」と説明しています。さらに、どの資産をどのくらいの割合で保有するかを考えることもポートフォリオの大切なポイントです。
何を持つかだけではなく、「それぞれをどのくらい持つか」という割合まで含めて考えるとイメージしやすくなります。
株式・債券・現金などを組み合わせた資産の構成
たとえば、投資に使えるお金をすべて株式だけにするのではなく、株式・債券・預貯金など、性格の異なる資産に分けて持つことを考えてみます。
つまり、「株式を持っているからポートフォリオ」というより、自分の資産全体を見渡して、何をどの程度持っているのかを見るイメージです。
こうした組み合わせを考える理由の一つが、1つの資産に偏りすぎるリスクを抑えることです。金融庁も、値動きが異なる国内・海外、株式・債券など複数の資産へ分散することで、価格変動をある程度抑える考え方を紹介しています。
ポートフォリオを作れば損をしなくなるわけではありません。分散投資はリスクをなくす方法ではなく、特定の資産の値動きによる影響を小さくすることを目指す考え方です。
投資信託そのものを指す言葉ではない
初心者が少し迷いやすいのが、「ポートフォリオ=投資信託なの?」という点です。この2つは同じ意味ではありません。
投資信託は金融商品の一種であるのに対し、ポートフォリオは金融商品の組み合わせを表す言葉です。
ただし、ここが少し面白いところです。投資信託の中には、1本の商品そのものが国内外の株式や債券など複数の資産へ投資しているタイプもあります。
そのため、個人としては「投資信託を1本だけ持っている」という状態でも、その投資信託の中では多くの銘柄や複数の資産へ分散されている場合があります。反対に、投資信託を何本も持っていても、投資先が似ていれば実質的には同じ資産へ偏っていることもあります。
「ポートフォリオとは何だろう?」と難しく考える必要はありません。投資ではまず、自分のお金が株式・債券・現金などにどう分かれているのかを見える化するものと理解しておけば十分です。この基本がわかると、次に出てくる「分散投資」や「どんな割合で持つか」という話もぐっと理解しやすくなります。
ポートフォリオという言葉は、投資だけでなく就活・ビジネス・教育などでも使われます。「そもそもポートフォリオとは何?」というところから整理したい方は、▶ポートフォリオとは何か、意味や種類をわかりやすく確認するで全体像をまとめています。
なぜ投資ではポートフォリオを作るの?
投資でポートフォリオを作る大きな理由は、「どこにお金を置くか」を意識して、特定の資産だけに頼りすぎないようにするためです。
株式や債券などの金融商品は、それぞれ値動きの特徴が異なります。どれか1つに集中していると、その資産が大きく値下がりしたとき、持っている資産全体も強く影響を受けやすくなります。
投資では、将来どの資産が上がるかを確実に当てることはできません。そこで、複数の資産を組み合わせ、一つの値動きだけに資産全体が左右されにくい状態を考えるのがポートフォリオの基本です。
1つの資産だけに集中するリスクを抑える
わかりやすく、投資するお金を1つの会社の株式だけに集中させたケースを考えてみましょう。
その会社の業績が悪化したり、不祥事が起きたりすれば、株価が大きく下がる可能性があります。投資資金のほとんどをその会社に集中させていれば、当然、自分の資産も大きな影響を受けます。
特定の会社や資産が大きく下落すると、投資したお金全体への影響も大きくなりやすい。
一部が値下がりしても、ほかの資産が同じ動きをしなければ、資産全体への影響を和らげられる可能性があります。
ここで大切なのは、「たくさんの商品を買えばいい」という意味ではないことです。
たとえば、10社の株式を持っていても、すべて同じ国・同じ業種の会社であれば、景気や業界全体に大きな変化が起きたとき、似た方向へ価格が動く可能性があります。
大切なのは単純な本数ではなく、投資先の会社・業種・地域・資産の種類などが偏りすぎていないかを見ることです。ポートフォリオにすると、この偏りを確認しやすくなります。
つまり、ポートフォリオとは投資先を並べるだけのものではなく、「自分のお金がどこか一つに集中していないか」をチェックする道具としても役立つわけです。
値動きの異なる資産を組み合わせる
もう一つのポイントが、値動きの特徴が異なる資産を組み合わせるという考え方です。
たとえば株式と債券では、価格が動く理由や影響を受ける要因が同じとは限りません。そこで、異なる特徴を持つ資産を組み合わせることで、一方が下がったときに、もう一方まで必ず同じように下がる状態を避けることを考えます。
ただし、株式と債券なら必ず反対方向へ動くわけではありません。市場環境によっては、複数の資産が同じ時期に値下がりすることもあります。
そのため、「一方が下がれば、必ずもう一方が上がる」と覚えるのではなく、値動きや性格が異なる資産を組み合わせることで、1種類だけを持つ場合とは違う値動きを目指すと理解するほうが正確です。
1つのかごに全部のたまごを入れていると、そのかごを落としたときに全部割れてしまうかもしれません。いくつかのかごに分けておけば、1つを落としても残りは守れる可能性があります。投資のポートフォリオも、考え方はこれに近いものです。
ポートフォリオを作る目的は、利益を保証することではありません。「どこに偏っているか」を把握し、値動きの異なる投資先を組み合わせることで、特定の資産だけに左右されるリスクを抑えていくことが基本になります。
分散投資とポートフォリオはどう関係する?
「ポートフォリオ」と一緒によく出てくる言葉が、「分散投資」です。この2つは似ていますが、まったく同じ意味ではありません。
ポートフォリオとは「どんな資産をどのように組み合わせているか」を表すもの。一方、分散投資は「投資先や購入する時期を分けて、特定の対象に偏りすぎないようにする考え方」です。
自分が何を・どのくらい持っているのかを確認する。
投資する資産・地域・時期などを分ける考え方。
つまり、分散投資を実践するときに、その結果としてどんな組み合わせになっているのかを確認するのがポートフォリオと考えると理解しやすいでしょう。
分散の方法は1つではありません。初心者がまず押さえておきたいのが、「資産」「地域」「時間」という3つの分け方です。
資産を分ける「資産分散」
資産分散とは、投資するお金を1種類の資産だけにまとめず、性格の異なる複数の資産へ分ける方法です。
たとえば、「国内株式だけ」とするのではなく、国内外の株式や債券などを組み合わせる方法が考えられます。ここで見るのは商品の本数ではなく、「その商品の中身は何に投資しているのか」です。
投資信託を利用する場合も同じです。複数の商品を持っていても、それぞれの投資先が似ていれば、中身を確認すると同じ株式や同じ市場への投資が重なっていることがあります。
「投資信託を5本持っているから5つに分散できている」とは限りません。それぞれが実際に何へ投資しているのかまで見ると、ポートフォリオの偏りを把握しやすくなります。
国や地域を分ける「地域分散」
資産の種類だけでなく、投資する国や地域を分けるという方法もあります。これが地域分散です。
たとえば株式という同じ資産でも、日本だけに投資する方法もあれば、日本・米国・欧州・新興国など複数の国や地域へ投資する方法もあります。
国や地域によって、景気・産業構成・金利・為替・政治や制度などの状況は異なります。
投資先を複数の地域へ広げることで、特定の国や地域で起きた出来事だけに、投資資産全体が強く左右される状態を避けることを考えます。
ただし、海外へ投資すれば自動的に安全になるわけではありません。海外の株式や債券には、価格変動に加えて為替レートの変化によって円換算した資産価値が動く場合もあります。
地域分散を見るときは「日本と海外に分けた」というところで終わらず、実際にはどの国・地域へどのくらい投資しているのかを確認することがポイントです。
買う時期を分ける「時間分散」
ここまでの資産分散・地域分散とは少し違い、「いつ買うか」を分ける方法が時間分散です。
たとえば、まとまった投資資金をある日に一度ですべて購入するのではなく、毎月など複数のタイミングに分けて購入していく方法があります。
購入
購入
購入
積み立て
購入するタイミングを1日に集中させない
購入時期を分ければ、高いときにも安いときにも購入することになります。そのため、「買った直後に大きく値下がりした」というような、購入時期の偏りによる影響を抑えることにつながります。
一定額を定期的に投資すると、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入することになります。これは一般に「ドル・コスト平均法」と呼ばれる方法です。
時間分散をすれば必ず利益が出るわけではありません。また、価格が長く上昇し続ける場面では、一度に投資した場合より結果的に購入価格が高くなることもあります。「一番安いところで買う方法」ではなく、購入時期を分ける方法と理解しておきましょう。
資産分散は「何に投資するか」、地域分散は「どこに投資するか」、時間分散は「いつ投資するか」を分ける考え方です。ポートフォリオでは特に「何をどのくらい持っているか」を確認しながら、必要に応じて地域や購入時期まで広げて考えると、分散投資の全体像がつかみやすくなります。
ポートフォリオと長期投資の相性は?
ポートフォリオは、作った瞬間だけを見るものではありません。長期投資では、時間の経過とともに資産の割合がどう変わっていくのかを見るためにも役立ちます。
投資を続けていると、株式が大きく値上がりする時期もあれば、債券など別の資産の割合が相対的に大きくなる時期もあります。最初に決めた組み合わせが、そのまま何年も維持されるとは限りません。
ポートフォリオを確認すると、長く運用するなかでどの資産が増え、どこに偏りが出てきたのかを把握しやすくなります。
長く運用しながらバランスを整える考え方
長期投資というと、「一度買ったら、そのままずっと持っておけばいい」とイメージするかもしれません。しかし、ポートフォリオの視点では、長く保有することと、何も確認しないことは別です。
たとえば、最初に複数の資産へお金を振り分けたとしても、それぞれの価格は同じようには動きません。その結果、売買をしていなくてもポートフォリオの割合は自然に変化していきます。
目的や考え方に合わせて組み合わせる
資産ごとに値上がり・値下がりする
当初より特定の資産が大きくなることも
ここで重要なのは、値上がりしたこと自体を「悪い」と考えるわけではない点です。確認したいのは、価格の変化によって、自分が当初考えていたよりも大きなリスクを取る状態になっていないかです。
たとえば、値動きの大きい資産の割合が想定以上に増えていれば、資産全体も以前より大きく動きやすくなっている可能性があります。
値動きによって崩れた資産配分を、自分が決めた配分へ近づけるよう調整することを一般に「リバランス」と呼びます。増えた資産の一部を減らしたり、割合が小さくなった資産を追加購入したりする方法があります。
ただし、リバランスをすれば必ず運用成績が良くなるという意味ではありません。目的は、値上がりする資産を予想することではなく、自分が想定した資産配分やリスクの水準から大きく離れすぎないよう管理することにあります。
定期的な見直しも大切
もう一つ覚えておきたいのが、「資産の値動きによる見直し」と「自分自身の変化による見直し」は別という点です。
長期投資では数年、場合によっては数十年という期間で資産形成を考えることがあります。その間には、収入や支出、家族構成、住宅購入、教育費、退職など、生活そのものが変化する可能性があります。
では、「何か月ごとに見直せば正解なの?」と思うかもしれません。
実際には、すべての人に共通する絶対的な見直し頻度が決まっているわけではありません。資産の種類や運用方針、投資目的などによって考え方が変わるため、「毎月必ず変更する」といった決め方をする必要はありません。
ポートフォリオを確認したからといって、毎回商品を売ったり買ったりする必要があるわけではありません。まずは「当初の目的からずれていないか」「今の自分にも合っているか」を確認することが見直しの第一歩です。
また、売却を伴うリバランスでは、利用している口座や商品によって税金や手数料などが関係する場合があります。そのため、単純に割合だけを見て機械的に売買するのではなく、実際にかかるコストまで含めて考えることも大切です。
ポートフォリオとは、投資を始めるときだけ作って終わるものではありません。長く運用するなかで資産配分の変化を確認し、自分の目的や生活の変化に合わせて必要性を考える。このように「持ち続けながら管理する」という視点を持つと、長期投資との関係が理解しやすくなります。
60/40ポートフォリオとは何ですか?
60/40ポートフォリオとは、一般に投資資産を株式60%・債券40%に分けて保有する資産配分の考え方です。「60対40」「60/40戦略」などと呼ばれることもあります。
ポイントは、株式だけで積極的な値上がりを狙うのでも、債券だけで値動きを抑えるのでもなく、特徴の異なる2つの資産を組み合わせて、成長性と安定性のバランスを考えるところにあります。
数字そのものよりも、「値上がりを期待する部分」と「異なる特徴を持つ部分」を組み合わせる考え方に注目すると理解しやすくなります。
株式60%・債券40%で構成する考え方
60/40ポートフォリオでは、資産の60%を株式、残り40%を債券に配分します。
たとえば、投資対象として考える資金が100万円なら、単純化すると株式60万円・債券40万円というイメージです。
企業の成長などを背景とした値上がりや配当による収益を期待する部分。価格が大きく上下することもあります。
株式とは異なる性格を持つ資産を組み合わせ、株式だけで構成する場合とは違う値動きを目指す部分です。
このように見ると、「60/40」という数字に特別な仕組みがあるわけではありません。株式を中心にしながら、債券も一定割合組み入れるという比較的シンプルな資産配分です。
ただし、「株式」と「債券」の中身まで世界共通で1つに決まっているわけではありません。米国株式と米国債券を使うケースもあれば、より広い市場へ投資する商品を組み合わせるケースもあります。
同じ株式60%・債券40%でも、どの国の株式なのか、どの種類・期間の債券なのかによって値動きやリスクは変わります。割合だけを見て「同じポートフォリオ」と判断しないことが大切です。
また、株式と債券は常に反対方向へ動くわけではありません。市場環境によっては、株式と債券が同じ時期に値下がりすることもあります。
そのため60/40ポートフォリオも、損失を防ぐ仕組みではありません。あくまで、性格の異なる資産を一定の割合で組み合わせる資産配分の一例として理解しておくとよいでしょう。
60/40がすべての人に適しているわけではない
「昔から使われているなら、初心者は60/40にしておけばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、60/40は誰にでも共通する理想のポートフォリオではありません。
そもそも投資でどの程度の値動きを受け入れられるかは、人によって違います。さらに、同じ人でも何のために投資するのか、いつ使うお金なのかによって考え方は変わります。
たとえば、長期間使う予定のないお金を運用する人と、数年後に必要になるお金を持つ人では、同じ60/40でも受け止め方が違います。
さらに注意したいのが、「年齢だけで60/40が適切かどうかを決めること」です。30代だから株式を多くする、60代だから債券を多くする、といった考え方が紹介されることはありますが、年齢だけでは収入、資産、家族構成、投資目的、必要になる時期までは分かりません。
60/40は、ポートフォリオとは何かを投資初心者が理解するうえで分かりやすい代表的な組み合わせの一例です。しかし、「株式60%・債券40%にすれば誰でも安心」という意味ではありません。
また、ここでいう60/40は通常、投資ポートフォリオの資産配分を説明する考え方です。生活費や急な支出に備える預貯金まで含めて、個人の全財産を機械的に60対40へ分けるという意味ではありません。
60/40ポートフォリオを見ると、つい「60%と40%のどちらが正解なのか」に目が向きます。しかし本当に大切なのは、投資の目的・期間・受け入れられる値動きなどを考え、そのうえで資産の組み合わせを決めることです。60/40は、その考え方を理解するための分かりやすい出発点の一つとして捉えておきましょう。
ポートフォリオとは?投資の割合・作り方を具体例で解説

ポートフォリオの意味がわかったら、次に気になるのが「どんな割合で組めばいいの?」「実際にはどう作るの?」という点ではないでしょうか。
投資のポートフォリオには、すべての人に共通する理想の割合があるわけではありません。ここでは、現金比率や30代・40代で考えたいポイント、分散投資の具体例、投資信託を使った作り方まで順番に見ていきましょう。
ポートフォリオの理想的な割合は?
「ポートフォリオの理想的な割合は?」という疑問に対して、株式○%・債券○%なら誰にでも理想的、といえる割合はありません。
同じ100万円を投資する場合でも、「30年以上先のために運用する人」と「数年後に使う予定がある人」では、お金を置いておける期間が違います。また、同じ値下がりが起きても「長く待てる」と考える人もいれば、「これ以上減ると生活に影響する」という人もいます。
ポートフォリオの割合は、ネットで見つけた数字をそのまま当てはめるのではなく、何のためのお金か・いつ使うのか・どの程度の値動きを受け入れられるのかを考えて決めるのが基本です。
そのため、「おすすめのポートフォリオ」を調べるときも、具体的な割合だけを見るのではなく、その割合がどのような人を想定しているのかまで確認することが大切です。
年齢だけで理想の割合は決められない
ポートフォリオについて調べると、「若い人は株式を多めに」「年齢が上がったら債券を増やす」といった考え方を見かけることがあります。
確かに年齢は、投資できる期間を考える材料の一つにはなります。しかし、年齢だけを見ても、その人がどのくらいリスクを取れるのかまでは分かりません。
当面使う予定のない資金があり、長期間の運用を考えている。
住宅購入や教育費など、近い将来にまとまったお金を使う予定がある。
収入の安定性や預貯金、毎月の支出などによって、投資へ回せる金額が異なる。
3人とも年齢は同じでも、「いつ使うお金なのか」「投資以外にどのくらい余裕があるのか」が違います。当然、同じ割合を機械的に当てはめる必要はありません。
また、「100-年齢を株式の割合にする」といった簡単な目安が紹介されることもありますが、これは公的に定められた理想配分ではありません。年齢から自動的に最適な割合を計算できる公式があるわけではないため、目安をそのまま正解として扱わないようにしましょう。
年齢は参考材料の一つですが、年齢=ポートフォリオの答えではありません。同年代でも家計や目的、投資期間が違えば、考えたい資産配分も変わります。
投資期間とリスクへの考え方から決める
では、ポートフォリオとは投資初心者がどのような順番で割合を考えればよいのでしょうか。
最初から「株式を何%にするか」を決めるより、まず投資するお金をいつ使うのかを考えると整理しやすくなります。
老後資金、将来の資産形成など「何のためのお金か」を整理します。
使う時期が近いお金なのか、長期間使わないお金なのかを確認します。
大きく値下がりしても生活や予定に影響しない金額なのかを考えます。
ここまで整理してから、株式・債券などをどの程度組み合わせるか検討します。
特に区別しておきたいのが、「リスクを取りたいか」と「リスクを取れるか」は違うという点です。
たとえば「多少大きく値下がりしても気にならない」という性格でも、翌年に必要な資金まで投資しているなら、家計の面では大きな値動きを受け入れにくいかもしれません。
反対に、長期間使う予定がなく、生活に必要なお金とは分けて投資できる場合には、短期間で使う予定があるケースとは違った割合を検討できます。
同じ人が持つお金でも、来年使うお金・10年後に使うお金・老後まで使わないお金では役割が違います。「自分は何歳だから」だけではなく、「このお金はいつ、何のために使うのか」と考えると、ポートフォリオの割合を整理しやすくなります。
そして、最初に決めた割合を一生変えてはいけないわけでもありません。投資する目的や使う時期、収入・支出などが変化すれば、その時点の自分に合っているかを改めて確認することも必要になります。
万人共通の数字を探すのではなく、①目的 → ②使う時期 → ③家計の余裕 → ④受け入れられる値動き → ⑤資産配分という順番で考え、自分の条件に合う組み合わせを探していくのが基本です。具体的な割合だけを先に決めないことが、投資ポートフォリオを考えるうえで大切なポイントです。
ポートフォリオの現金比率はどれくらい?
ポートフォリオを考えるとき、「現金は何%くらい残せばいいの?」と迷う人も多いでしょう。しかし、すべての人に共通する理想の現金比率が決まっているわけではありません。
大切なのは、いきなり「現金30%」などと割合を決めるのではなく、生活に必要なお金と、しばらく使う予定のないお金を分けて考えることです。
日々の生活費や近いうちに必要なお金まで投資へ回してしまうと、相場が下がったタイミングで売却しなければならない可能性があります。まず使う予定のあるお金を切り分けることから考えましょう。
投資に回すお金と生活に必要なお金を分ける
投資では利益が出ることもあれば、元本を下回ることもあります。そのため、家賃や食費など日常生活に必要なお金まで投資するのではなく、当面使う予定のない余裕資金で考えることが基本です。
お金を整理するときは、次のように「使う時期」で分けるとイメージしやすくなります。
つまり、現金比率は投資だけを見て決める数字ではなく、家計全体との関係から考える必要があります。生活費や近い将来の支出が多ければ、手元に必要な現金も変わってきます。
生活防衛資金について「生活費の○か月分」といった目安を見かけますが、必要額は収入の安定性・家族構成・毎月の支出などによって変わります。数字だけをそのまま当てはめないことが大切です。
現金を持つ意味も理解しておく
投資を始めると、「現金のままでは増えにくいから、できるだけ投資したほうがいいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、現金にもポートフォリオの中で役割があります。
一方で、現金を多く持てば必ず安心というわけでもありません。預貯金の金利を上回って物価が上昇すれば、同じ金額で買えるモノやサービスが少なくなり、実質的な購買力が低下することがあります。
だからこそ、「現金か投資か」の二択ではなく、使うお金は確保し、残った資金についてどの程度投資へ回すのかを考えることがポイントです。
ポートフォリオとは投資資産の割合だけを見るものではなく、自分のお金をどんな役割に分けるかという視点も大切です。「現金を何%にするか」を先に決めるのではなく、生活や近い将来に必要なお金を確認したうえで、投資に回せる範囲を考えていきましょう。
30代のポートフォリオの現金比率は?
30代で投資を始めると、「現金は何%残して、どのくらい投資すればいいの?」と気になるかもしれません。
しかし、30代に共通する適正な現金比率が決まっているわけではありません。同じ30代でも、独身か子育て中か、住宅購入を予定しているか、収入が安定しているかなどで必要な現金は大きく変わるからです。
30代は長期運用できる可能性がある一方、結婚・住宅・子育てなどでまとまった支出が発生することもあります。投資できる期間だけでなく、近い将来の支出予定も一緒に確認することが大切です。
収入・支出・今後必要なお金から考える
30代の現金比率を考えるなら、まず「毎月入ってくるお金」「出ていくお金」「これから必要になるお金」の3つを整理するとわかりやすくなります。
たとえば、長期間使う予定のない資金が多い人と、数年以内に住宅購入を予定している人では、同じ30代でも手元に残しておきたい現金の考え方は異なります。
また、会社員と自営業などでは収入の変動しやすさも違います。年齢だけを見るより、自分の家計で「急に収入が減った場合にも対応できるか」を確認するほうが現実的です。
運用できる期間が長くても、近いうちに必要なお金まで投資へ回す必要はありません。長期運用できるお金と、生活・ライフイベントに使うお金を分けて考えることがポイントです。
30代だから何%と一律には決められない
インターネットでは「30代なら現金○%、株式○%」といったモデルケースを見かけることがあります。しかし、30代という年齢だけから個人に適した現金比率を決めることはできません。
たとえば、次の3人が全員35歳だったとしても、必要な現金は同じとは限りません。
つまり、30代のポートフォリオでは「30代の平均的な割合」を探すより、自分が現金を必要とする時期と金額を把握することが先です。
「30代だから現金○%」という決め方ではなく、収入の安定性・毎月の支出・近い将来に必要なお金・長期投資へ回せる資金を整理してから考えましょう。同じ30代でも答えが違ってよい、というのが大切なポイントです。
40代の投資ポートフォリオはどう考える?
40代の投資ポートフォリオでは、単純に「40代向けの割合」を探すより、これから必要になるお金と、すでに持っている資産を一度整理することが大切です。
老後まで運用できる期間がある一方で、住宅ローンや教育費など大きな支出が重なる人もいます。そこで40代では、「いつ使うお金なのか」から逆算して資産を分けると考えやすくなります。
同じ40代でも、数年後の教育費と20年以上先の老後資金では運用できる期間が違います。目的ごとに時間軸を分けて考えることがポイントです。
住宅・教育・老後など使う時期を意識する
40代では、目的の異なるお金をすべて同じポートフォリオで考えると分かりにくくなります。まずは「何のためのお金か」と「いつ必要になるか」をセットで整理してみましょう。
特に注意したいのは、近いうちに使う予定のお金まで、長期運用する資産と同じ感覚で投資しないことです。必要な直前に市場が大きく下落すると、回復を待つ時間が取れない可能性があります。
年齢だけを理由に投資割合を大きく変えるのではなく、そのお金を使うまで何年あるのかを見ることが大切です。近い将来のお金と老後まで使わないお金では、同じ40代でも考え方が変わります。
今ある資産を確認してから割合を考える
40代では、新しく投資するお金だけを見るのではなく、すでに持っている資産をまとめて確認することも重要です。
預貯金、株式、投資信託などを別々に管理していると、全体ではどこに偏っているのか気づきにくいことがあります。
すぐ使える資金
中身も確認
偏りを確認
ここでのポイントは、金融商品の「名前」ではなく「中身」を見ることです。たとえば複数の投資信託を持っていても、どれも似た市場へ投資していれば、資産全体では偏っている可能性があります。
現在の資産を一覧にしたら、そのうえでこれから追加するお金をどこへ配分するかを考えます。新しい商品を買うことだけがポートフォリオ作りではありません。
40代の投資ポートフォリオでは、住宅・教育・老後などの時間軸を整理し、現在の資産全体を確認してから割合を考えると分かりやすくなります。「40代なら○%」という数字から始める必要はありません。
分散投資のポートフォリオ例を見てみよう
分散投資の考え方がわかっても、「実際には何を組み合わせるの?」というところが少しイメージしにくいかもしれません。
そこで、ここでは実際に存在する株式や個人向け国債などを使ったポートフォリオ例を見てみましょう。ただし、以下は仕組みを理解するための例であり、特定の商品や割合をおすすめするものではありません。
「この組み合わせなら安心」という意味ではありません。個別株には企業ごとの値下がりリスクがあり、国債や投資信託にもそれぞれ特徴があります。何を組み合わせると、どのように分散されるのかを見るための例として考えてください。
株式と債券を組み合わせるシンプルな例
まずは、日本株と個人向け国債を組み合わせるシンプルな例です。
たとえば100万円を投資対象として考える場合、次のような組み合わせが考えられます。
たとえば株式部分としてトヨタ自動車やNTTなどの日本株を持ち、残りを個人向け国債に分けるイメージです。
ただし、ここで注意したいのが、トヨタ自動車とNTTの2社を持つだけで十分な分散になるわけではないという点です。企業ごとの業績や株価変動の影響を受けるため、個別株だけで幅広く分散しようとすると、複数の企業や業種を考える必要があります。
ここでトヨタ自動車やNTTを挙げているのは、「株式とは実際にはこうした企業の株を持つこと」とイメージしやすくするためです。特定の銘柄への投資をすすめるものではありません。
債券部分では、個人が購入できる国債として個人向け国債があります。たとえば「変動10年」などを組み合わせれば、個別株だけで構成する場合とは異なる性格の資産を持つことになります。
株式・債券・現金を組み合わせる例
もう少し分散を広げるなら、日本株だけでなく海外株式も加え、国債と現金を組み合わせる方法も考えられます。
具体的には、日本株式25%、海外株式に投資する投資信託35%、個人向け国債20%、現金20%といった形です。
この例では、単に商品数を増やすのではなく、「日本と海外」「株式と国債」「投資する資金と現金」というように、異なる方向へお金を分けています。
一方、日本株と海外株式の割合を増やせば株式市場の影響を受けやすくなりますし、国債や現金の割合を変えれば全体の性格も変化します。
ここで示した25%・35%・20%・20%は、あくまで説明用です。投資期間・必要な現金・受け入れられる値動きによって適した組み合わせは変わります。
「株式50%・債券30%」だけでは少し抽象的ですが、トヨタ自動車などの日本株、海外株式の投資信託、個人向け国債、現金と置き換えると、ポートフォリオとは何を組み合わせるものなのかがぐっと分かりやすくなります。大切なのは銘柄名そのものではなく、それぞれがどんな役割を持つ資産なのかを見ることです。
ポートフォリオの株式部分で個別株を選ぶ場合は、銘柄名だけでなく、会社の利益や資産、稼ぐ力を見ることも大切です。基本的な株価指標については、▶個別株を選ぶときのPER・PBR・ROE・ROAの見方で初心者向けに整理しています。
投資信託でポートフォリオを作る方法
ポートフォリオというと、「株式や債券を自分で何種類も買わないと作れないの?」と思うかもしれません。実際には、投資信託を利用してポートフォリオを作る方法もあります。
大きく分けると、1本の投資信託の中で分散する方法と、複数の投資信託を自分で組み合わせる方法があります。それぞれ管理のしやすさや自由度が異なるので、違いを見てみましょう。
1本で複数の資産へ分散する方法
投資信託には、株式だけに投資する商品だけでなく、株式・債券など複数の資産を1本の中に組み入れるタイプもあります。一般に「バランス型」などと呼ばれる投資信託です。
1本でも、中では複数の資産・地域へ投資している場合があります。
この方法のわかりやすい点は、自分で何本もの商品を組み合わせなくてもよいことです。商品によっては、決められた方針に沿って資産配分の調整まで行われます。
ただし、「バランス型ならどれでも同じ」ではありません。商品ごとに資産の種類や配分、運用方針、コストなどが異なるため、目論見書などで中身を確認することが大切です。
大切なのは投資信託の本数ではなく中身です。1本でも幅広く分散されている商品がある一方、特定の国や資産だけに投資する商品もあります。
複数の投資信託を組み合わせる方法
もう一つは、投資対象の異なる投資信託を複数選び、自分でポートフォリオを作る方法です。
たとえば「株式に投資する商品」と「債券に投資する商品」を別々に持てば、それぞれの購入金額を変えることで資産配分を調整できます。
複数本を使うメリットは自由度ですが、商品が増えるほど管理も複雑になります。また、違う名前の投資信託でも実際の投資先が重なっている場合があります。
そのため、「何本持っているか」ではなく、それぞれの商品が何に投資していて、全部合わせるとどんな割合になるのかを見ることが重要です。
投資信託でポートフォリオを作る場合も、商品数を増やすこと自体が目的ではありません。1本でまとめるのか、複数本を組み合わせるのかを考え、最終的な資産配分を確認することがポイントです。
投資ポートフォリオの作り方を順番に確認
ここまで見てきた内容を、実際に投資ポートフォリオを作る順番に並べてみましょう。
初心者の場合、いきなり「どの投資信託を買うか」から考えるより、目的 → 期間と金額 → 資産配分 → 運用後の確認という順番で整理すると迷いにくくなります。
目的
期間・金額
資産配分
確認
何のために投資するのかを決める
最初に決めたいのは、商品ではなく「何のために投資するのか」です。
老後に向けた資産形成なのか、将来の大きな支出に備えるのかによって、運用できる期間も必要な金額も変わります。目的が曖昧なままでは、どの程度の値動きを受け入れるべきかも判断しにくくなります。
「人気だから」「ランキング上位だから」と商品から入るのではなく、目的を決めてから、それに合う資産の組み合わせを考えるのが基本です。
投資できる期間と金額を確認する
次に、そのお金をいつ使うのかを確認します。使う時期まで長ければ長期運用を考えやすくなりますが、数年以内に必要になる資金なら、値下がりしたときに回復を待てない可能性があります。
同時に、「いくら投資できるか」も確認します。ここで見るのは貯金の総額ではなく、生活や近い将来の支出に必要なお金を除いたうえで、投資へ回せる金額です。
資産の種類と割合を決める
目的・期間・金額が整理できたら、ようやく株式や債券などをどのように組み合わせるかを考えます。
ここでも「株式70%が正解」のように数字から決める必要はありません。株式の割合を増やせば値動きの影響も大きくなりやすいため、自分がどの程度の変動を受け入れられるかと合わせて考えます。
まず「株式をどのくらい」「債券をどのくらい」と資産の配分を考え、その配分を実現するために投資信託などの商品を選ぶ、と考えると整理しやすくなります。
運用後は定期的にバランスを確認する
ポートフォリオは、作ったら終わりではありません。運用を続けると資産ごとに値動きが異なるため、最初に決めた割合から自然にずれていくことがあります。
そこで定期的に全体を確認し、当初の目的や資産配分から大きく離れていないかをチェックします。ただし、確認するたびに売買する必要はありません。
投資ポートフォリオの作り方は、①目的を決める → ②期間と金額を確認する → ③資産と割合を決める → ④運用後に確認するという流れで考えるとシンプルです。最初から完璧な割合を探すより、この順番で自分のお金を整理していきましょう。
ポートフォリオとは?投資初心者が押さえたいポイントまとめ
ポートフォリオとは、投資では「どのような資産を、どのくらいの割合で持っているのか」を表すものです。株式・債券・現金などを組み合わせることで、自分のお金がどこへ配分されているのかを把握しやすくなります。
投資初心者の場合、「おすすめの商品は何か」「株式は何%が正解か」と数字や商品から考えたくなりますが、先に投資の目的や使う時期を整理することが大切です。
何をどのくらい持っているのかを整理する。
資産・地域・購入時期などを分けて考える。
年齢だけではなく、目的や投資期間などから考える。
1本で分散する方法と複数本を組み合わせる方法がある。
値動きや生活の変化に合わせて現在の配分を確認する。
特に覚えておきたいのは、「理想のポートフォリオ=決まった割合」ではないということです。同じ30代・40代でも、収入や支出、家族構成、使う時期などが違えば、考えたい資産配分も変わります。
また、分散投資をしても損失そのものをなくせるわけではありません。株式や債券などにはそれぞれ値下がりする可能性があるため、生活に必要なお金と投資へ回せるお金を分けて考えることも忘れないようにしましょう。
まずは何のために投資するのか、いつ使うお金なのか、どのくらいの値動きを受け入れられるのかを整理するところから始めましょう。その条件が見えてくると、自分に必要なポートフォリオも考えやすくなります。
ポートフォリオとは、投資を難しくするためのものではなく、「自分のお金が今どこに、どのくらいあるのか」を見えるようにするための考え方です。数字だけにとらわれず、目的に合わせて組み合わせ、必要に応じて見直していくことから始めてみましょう。
金融庁|資産形成の基本
家計管理やライフプランニング、株式・債券・投資信託の特徴、長期・積立・分散投資の基本を確認できます。
財務省|個人向け国債 商品概要
個人向け国債の「変動10年」「固定5年」「固定3年」の違いや、購入単位、中途換金などの商品概要を確認できます。
財務省|個人向け国債とは何ですか
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