選挙が近づくと、街頭演説やポスター、SNSなどで政治家の活動を目にする機会が増えます。
そこで気になるのが、
「公示前なのに活動しても大丈夫なの?」
「どこからが事前運動になるの?」
という疑問です。
公職選挙法では、公示前だから政治に関する活動がすべて禁止されるわけではありません。
一方で、選挙運動を始められる時期には決まりがあり、それより前に行えば事前運動として問題になることがあります。
ただ、政治活動と事前運動の境界は少し分かりにくいですよね。
そこでこの記事では、公職選挙法のルールをもとに、公示前にできること・できないことを街頭演説、ビラやポスター、SNS、後援会活動などの具体例からわかりやすく整理します。
- 公示前でもできる政治活動がある
- 事前運動は公職選挙法で禁止される
- 街頭演説やSNSにも注意点がある
- 時期・方法・内容などから判断される
選挙が近づくと、街頭演説やSNSなどで政治家の活動を目にする機会が増えます。でも、公示前なら何をしてもいいのでしょうか。
調べてみると、公職選挙法では「政治活動」と「選挙運動」が分けて考えられており、公示前にはできることとできないことがあります。
まずは、公示前の事前運動とは何なのか、基本から整理してみます
そもそも公示前とはいつのこと?
ニュースでは「公示前に○○をしていた」という表現をよく見かけます。私は最初、「公示日になった瞬間から選挙運動ができる」くらいに考えていました。
ところが東京都選挙管理委員会の説明を確認すると、もう少し正確に理解する必要がありました。
選挙運動ができるのは、原則として公示日(または告示日)に立候補の届け出をしてから、投票日の前日までです。
つまり、分かりやすく考えるなら、選挙運動には「ここからスタート」という線が引かれているわけですね。
| 時期 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 公示前 | まだ選挙運動を始められる期間ではない |
| 公示日 | 立候補の届け出が行われる |
| 届出後~投票日前日 | 選挙運動ができる期間 |
ここで注意したいのが、「公示前=政治家が何も活動できない期間」ではないことです。
政策について話したり、政治上の考えを伝えたりする通常の政治活動まで、すべて禁止されているわけではありません。問題になるのは、選挙運動ができる期間に入る前に、特定の選挙で特定の候補者を当選させるための投票依頼などを行った場合です。こうした選挙運動が「事前運動」として禁止されています。
私は「公示前か、公示後か」だけを見ればよいと思っていましたが、実際には立候補の届け出が受理されているかも重要でした。まず「選挙運動を始められる期間」を押さえておくと、公示前の事前運動を理解しやすくなります。
公職選挙法でいう事前運動とは?
公示前の時期が分かったところで、次に気になったのが「そもそも何をすると事前運動になるの?」という点です。
公職選挙法では、選挙運動ができる期間より前に選挙運動を行うことが禁止されています。これが一般に「事前運動」と呼ばれるものです。
ここで大切なのは、単に「選挙について話した」「政治家が活動した」というだけではなく、特定の選挙で、特定の候補者を当選させるために票を得ようとする活動だったかという点です。
例えば、選挙運動を始められる前に「今度の選挙では○○さんに投票してください」と有権者へ働きかければ、通常の政治活動ではなく事前運動として問題になる可能性があります。
一方で、立候補するための準備をしたり、普段の政治活動として政策を説明したりすることまで、すべて事前運動になるわけではありません。
私も最初は「選挙が近い時期に候補者が活動すると事前運動になるのかな?」と思っていました。しかし調べてみると、活動した時期だけで決まるわけではないことが分かりました。公示前に何をしたのか、その目的や内容まで見る必要があるわけですね。
つまり、事前運動は「公示前の政治活動」そのものを指す言葉ではありません。「まだ選挙運動を始められない時期に、実質的な選挙運動をしていたのか」と考えると、公職選挙法のルールを理解しやすいと感じました。
なぜ公示前の事前運動は禁止されている?
ここまで調べて、「そもそも、なぜ公示前に選挙運動をしてはいけないの?」という疑問も出てきました。早くから有権者に考えを伝えること自体は、一見すると悪いことではなさそうですよね。
選挙管理委員会の説明を確認すると、事前運動を禁止する背景には、候補者ができるだけ同じ条件で選挙運動を始められるようにするという考え方があります。
例えば、選挙運動を始める時期に制限がなければ、候補者同士で「もっと早く活動を始めなければ不利になる」という競争が起きる可能性があります。活動期間が長くなれば、それだけ人手や費用も必要になりやすくなります。
実際に選挙管理委員会の案内でも、常時選挙運動が行われることによる不正行為を抑えることや、候補者の無用な競争、選挙運動費用の増加を避けることなどが、事前運動を禁止する理由として説明されています。
私は最初、「公示前だから禁止」という単純なルールだと思っていました。ただ、その理由まで調べてみると、選挙運動のスタートをそろえ、競争が必要以上に早期化・長期化するのを防ぐための仕組みと考えると分かりやすいと感じました。
そのため、公職選挙法が禁止しているのは、公示前の活動すべてではなく期間前の「選挙運動」です。では逆に、公示前でもできることには何があるのでしょうか。次はその境界を具体的に整理していきます。
公示前でもできる活動はある?
ここまで読むと、「事前運動が禁止されているなら、公示前はほとんど何もできないの?」と思いますよね。私もここが少し分かりにくかったところです。
調べてみると、公職選挙法で禁止される事前運動と、公示前に行える準備や政治活動は別物として整理されています。代表的なのが、立候補の準備、選挙運動を始めるための準備、通常の政治活動、後援会活動です。
「公示前に活動したか」だけではなく、何のために、どんな内容の活動をしたのかを見ることが大切です。
立候補に向けた準備
まず認められているのが、候補者になるための準備です。
東京都選挙管理委員会の資料では、政党の公認を求めること、立候補するかどうかを判断するための調査、候補者の選考会・推薦会、供託金の供託などが立候補の準備行為として挙げられています。
ここは私も意外でした。公示前でも「選挙に出るための準備」まで禁止すると、そもそも立候補そのものが難しくなります。立候補の準備と、有権者に票を求める選挙運動は分けて考えると理解しやすそうです。
選挙運動を始めるための準備
もう一つ認められているのが、選挙運動が始まったときに備える準備行為です。
- 選挙運動に必要な費用を準備する
- 選挙運動員などと事前に交渉する
- 選挙事務所などの借入れを交渉する
- ポスターや看板などを準備する
つまり、「選挙運動の準備」と「選挙運動そのもの」は違うわけですね。ただし、準備という形を取りながら実際には投票を求めている場合まで認められるという意味ではありません。
政策を伝える政治活動
公示前でも、通常の政治活動は行えます。例えば、政党による政策の宣伝や、政治家による時局講演会、議会報告などです。
ただし、「政治活動」という名前を付ければ何でも認められるわけではありません。活動の時期や方法、実際の内容などによって選挙運動と判断される可能性もあるため、形式より中身を見る必要があります。
「公示前=政治活動も禁止」ではありません。一方で、政治活動なら必ず事前運動にならないとも言い切れないため、実際に何をしていたのかを見る必要があります。
通常の後援会活動
後援会についても、選挙運動に踏み込まない通常の政治活動であれば、公示前から行えるものがあります。
東京都選挙管理委員会の資料では、会員募集など、選挙運動にわたらない後援会活動が例として挙げられています。
ここまで調べてみると、公職選挙法は「公示前は活動禁止」としているのではなく、立候補や選挙運動の準備、通常の政治活動などと、事前運動を区別していると考えると分かりやすいと感じました。
公示前にできないことは?
公示前でも準備や通常の政治活動はできると分かりました。では反対に、「ここからは事前運動として問題になる」のはどんな活動なのでしょうか。
公職選挙法の考え方を調べると、分かりやすい境界の一つが有権者に投票を求める行為です。東京都選挙管理委員会も、選挙運動を「特定の選挙で、特定の候補者の当選を目的として投票を勧めること」という趣旨で説明しています。
直接会って頼む場合だけでなく、電話やSNSでも、選挙運動ができる期間より前に投票を求めれば事前運動となる可能性があります。
特定候補への投票を直接お願いする
まず分かりやすいのが、特定の選挙を念頭に「○○さんに投票してください」などと有権者へ投票を依頼するケースです。
まだ選挙運動を始められない時期に、特定候補の当選を目的としてこうした働きかけを行えば、事前運動として問題になります。
私も最初は「大規模な街頭活動などが事前運動になるのかな」と考えていましたが、重要なのは活動の大きさではありません。誰への投票を、どの選挙について求めているのかを見る必要があると分かりました。
電話で投票を呼びかける
電話についても考え方は同じです。電話という手段自体ではなく、公示前に電話を使って特定候補への投票を依頼しているかがポイントになります。
単なる会合の案内と、特定候補への投票をお願いする電話では、活動の意味が違ってきます。電話をしたという事実だけで事前運動と決まるわけではありません。
つまり「公示前は電話禁止」と覚えるのではなく、電話で何を伝え、何を求めたのかまで見る方が正確です。
SNSで投票を呼びかける
SNSも同様です。選挙期間中にはインターネットを利用した選挙運動が認められていますが、だからといって公示前から選挙運動を始めてよいわけではありません。
例えば、公示前に特定の選挙を示しながら特定候補への投票を呼びかければ、SNS上の投稿であっても事前運動の問題が生じます。
直接お願いする・電話する・SNSに投稿するという「道具の違い」だけで判断するのではないのがポイントでした。公示前に、その活動が実質的な投票依頼になっていないかを見ると、事前運動との境界を理解しやすくなります。
「立候補予定です」と伝えるだけでも事前運動?
ここまで公示前のルールを調べていて、私がもう一つ気になったのが「立候補する予定だと伝えるだけでも、事前運動になるの?」という疑問です。
結論から整理すると、「立候補を予定しています」と伝えた事実だけで、直ちに事前運動になるとは言えません。公職選挙法で問題になるのは、その発言を含む活動が、特定の選挙で特定の候補者を当選させるための選挙運動にあたるかどうかです。
それだけで直ちに事前運動とは限らない
公示前なら事前運動の問題が生じる
実際、選挙管理委員会は政党の公認を求める行為や候補者の選考会・推薦会などを、一般に事前運動にはあたらない立候補の準備行為として挙げています。また、行政側でも選挙前に「立候補予定者」を対象とした説明会や届出書類の事前審査が行われています。
一方で、「立候補予定です」という言葉を使っていても、その前後で投票を依頼するなど、実際の活動が選挙運動に踏み込んでいれば話は別です。事前運動にあたるかは、時期・場所・方法・対象などを含め、活動の実態から判断されます。
私は「立候補を表明すると、そこから選挙運動になるのでは?」と思っていましたが、そこまで単純ではありませんでした。「立候補することを知らせたのか」「当選のために投票を求めたのか」を分けて考えると、公示前の事前運動との違いが見えやすくなります。
公職選挙法で公示前の事前運動を見分けるポイント

基本的なルールが分かると、次に気になるのが「では、街頭演説やSNS、ビラなどはどこまでできるの?」という点です。実は、公示前だからすべて禁止、逆に政治活動なら何でもOKという単純な話ではありません。
ここからは具体例を見ながら、公職選挙法上の事前運動にあたるかを考えるポイントを整理していきます。
政治活動と事前運動は何が違う?
「政治家が政策を訴えること」と「選挙に向けて活動すること」は、見た目だけでは似ている場合があります。私も最初は、選挙が近づけば政治活動も事前運動になりやすいのでは、と考えていました。
東京都選挙管理委員会の説明では、広い意味では選挙運動も政治活動の一部ですが、公職選挙法上は両者を分けて考えています。
| 区分 | 考え方 |
|---|---|
| 政治活動 | 政策の普及・宣伝や議会報告など、政治上の目的で行う活動のうち、選挙運動にあたらないもの |
| 選挙運動 | 特定の選挙で、特定候補者の当選を目的として投票を勧める活動 |
例えば、政治家が自分の政策や議会での活動を説明することは、一般には政治活動として考えられます。一方、その活動が特定の選挙で特定候補者を当選させるための選挙運動へ変われば、公示前は事前運動の問題が出てきます。
ここで難しいのは、活動の名前だけでは決められないことです。「政策説明会」「政治活動」と呼んでいても、実際の内容によっては選挙運動と判断される可能性があります。反対に、選挙が近いというだけで通常の政治活動がすべて事前運動になるわけでもありません。
山口県選挙管理委員会の説明では、事前運動にあたるかは時期・場所・方法・対象などを総合的に見て、活動の実質から判断されるとされています。つまり「政治活動という名前だから大丈夫」と一律には考えられないわけですね。
ここまで調べてみると、政治活動と事前運動を分けるときは、見た目よりも「その活動は政策などを伝えるものなのか、それとも特定候補の当選に向けた選挙運動なのか」を見ると理解しやすいと感じました。
公示前の街頭演説はどこまでできる?
選挙が近づくと、駅前などで政治家がマイクを持って話している姿を見かけます。「公示前なのに街頭演説をして大丈夫なの?」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。私も、街頭演説は選挙期間中だけできるものだと思っていました。
調べてみると、ここでは「政治活動としての街頭演説」と「選挙運動としての街頭演説」を分けて考える必要がありました。
公示前でも、政策を説明したり政治上の考えを伝えたりする通常の政治活動としての街頭演説まで一律に禁止されているわけではありません。
一方で、演説の内容が特定の選挙での投票を求めるものなど、実質的に選挙運動となっていれば、公示前は事前運動として問題になる可能性があります。
公示前の政治活動では、演説内容だけを見ればよいわけではありません。例えば、候補者本人の氏名などを記載したのぼり・看板を街頭演説で掲示することには別の規制があります。演説が政治活動として認められる場合でも、使う文書や表示物まで自由とは限らない点には注意が必要です。
なお、選挙運動期間に入ってから候補者が行う街頭演説には、時間帯や標旗の掲示など、公職選挙法上の別のルールが設けられています。
ここまで調べてみると、「公示前だから街頭演説は禁止」「政策の話なら何をしても大丈夫」のどちらも正確ではありませんでした。公示前は、演説で何を訴えているのかに加え、のぼりや看板などをどう使っているのかまで分けて見ると、事前運動との境界が理解しやすいと感じました。
公示前にビラやポスターを使ってもいい?
公示前の政治活動でもう一つ気になったのが、ビラやポスターは使えるのかという点です。「選挙が近い時期に候補者の写真が載ったポスターを見かけるけれど、あれは大丈夫なの?」と思ったことがある人もいるかもしれません。
調べてみると、ここは少し複雑でした。公職選挙法では、政治活動用のビラとポスターで規制の仕組みが同じではありません。
山口県選挙管理委員会によると、政治活動用ビラの頒布には特に公職選挙法上の規制はありません。ただし、氏名・顔写真・経歴などを載せたビラの内容が政治活動の範囲を超え、選挙運動とみられる場合には事前運動となることがあります。
一方、ポスターはさらに細かなルールがあります。候補者本人の氏名や写真などを載せた個人の政治活動用ポスターは、任期満了日の6か月前から選挙期日まで掲示できません。衆議院が解散された場合は、解散翌日から選挙期日までが掲示禁止期間になります。
私は「公示前なら政治活動用ポスターを貼れる」と単純に考えていました。しかし、個人の政治活動用ポスターは公示日より前から掲示できなくなる場合があることが分かりました。「公示前かどうか」だけで判断できないわけですね。
さらに、政党などの政治活動用ポスターは扱いが異なり、候補者になる人の氏名や写真が載っていても、公示前まで掲示できるケースがあります。ただし、特定の人物だけを大きく目立たせるなど、実質的に個人の政治活動用ポスターと判断されれば規制の対象になることがあります。
ここまで調べてみると、「公示前ならビラやポスターは自由」「候補者の写真があれば禁止」という単純なルールではありませんでした。ビラなのかポスターなのか、個人の政治活動なのか政党の活動なのか、さらに内容が事前運動に踏み込んでいないかを分けて考えるのがポイントです。
公示前にSNSやホームページを更新してもいい?
今では政治家がXやInstagram、YouTube、ホームページなどで情報を発信するのは珍しくありません。そこで私が気になったのが、「公示前にSNSを更新すると事前運動になるの?」という点です。
調べてみると、SNSやホームページを更新すること自体が、公示前だから一律に禁止されるわけではありません。ここでも重要になるのは、インターネットを使ったかどうかではなく、発信した内容です。
例えば、公示前に政策への考え方や日々の政治活動をSNSで紹介したり、ホームページに活動報告を掲載したりすることまで、すべて事前運動になるわけではありません。
一方、選挙運動が始められる前に、特定の選挙について「○○候補に投票してください」といった投票依頼をSNSやホームページで行えば、インターネット上でも事前運動の問題が生じます。
公職選挙法では、選挙運動期間中にウェブサイトやSNSなどを利用した選挙運動が認められています。しかし、これは公示前からネットで選挙運動をしてよいという意味ではありません。選挙運動を始められる時期のルールは、インターネットでも変わらないわけですね。
私も最初は「SNSなら街頭演説やビラとは別のルールなのかな」と考えていました。しかし、公示前については媒体よりも、投稿の目的や内容が選挙運動にあたるかを見ることが大切だと分かりました。
つまり、「SNSを更新したから事前運動」と判断するのではなく、何を発信し、特定候補への投票を求める内容になっていないかまで確認するのがポイントです。
後援会への入会を呼びかけても大丈夫?
公示前の活動を調べていると、「○○後援会に入りませんか?」という呼びかけも気になります。選挙に出る人を応援する団体なので、入会を勧めること自体が事前運動になるのでは?と思いました。
東京都選挙管理委員会の資料を確認すると、会員募集など、選挙運動にわたらない後援会活動は、一般に事前運動にはあたらないと整理されています。
例えば、政治家の活動を継続的に支援するために後援会への入会を案内することと、特定の選挙を念頭に「入会して、選挙ではこの人に投票してください」と働きかけることでは意味が違います。
注意したいのは、後援会への入会申込書を集めているからといって、それだけで「問題なし」と決められるわけでもないことです。活動の時期や方法、対象などを含め、実際には何を目的として行われていたのかが重要になります。
私は「選挙前に後援会員を増やすと事前運動になるのでは?」と思っていました。しかし、通常の会員募集と、当選のための選挙運動は同じではありません。公示前だから一律に判断するのではなく、入会を呼びかける際に何を求めていたのかまで見る必要があると分かりました。
事前運動かどうかは誰が判断する?
ここまで見てきて、私が気になったのが「結局、事前運動かどうかは誰が決めるの?」という点です。選挙のルールなので、選挙管理委員会が違反かどうかを決めると思っている人もいるかもしれません。
山口県選挙管理委員会の説明では、具体的な行為が選挙運動にあたるかは、さまざまな事情を総合的に見たうえで、実質に即して司法当局が判断するとされています。
選挙管理委員会は公職選挙法のルールについて案内や啓発を行いますが、個別の行為について犯罪が成立するかを最終的に決める機関ではありません。実際の事件では捜査機関による捜査などを経て、起訴された場合の最終的な司法判断は裁判所が行います。
活動した時期だけでは決まらない
公示前に行われた活動だからといって、それだけで事前運動になるわけではありません。反対に、「政治活動として行った」と説明するだけで、自動的に事前運動ではなくなるわけでもありません。
ここは私も最初に混同していました。公示前だったことは重要な要素ですが、それだけで結論が出るわけではないということですね。
方法・相手・内容などから判断される
山口県選挙管理委員会は、選挙運動にあたるかについて、行為が行われた時期・場所・方法(態様)・対象などを総合的に観察し、実質に即して判断されると説明しています。
つまり、同じように見える行為でも、前後の状況によって評価が変わる可能性があります。現在公表されている選挙管理委員会の資料にも、「この言葉を使えば必ず事前運動」「この行為なら必ず問題ない」という万能な判定表が示されているわけではありません。
事前運動は、一つの言葉や行動だけを切り取って判断するものではないと分かりました。「公示前だったか」に加えて、誰が・誰に・どこで・どのような方法で何を求めたのかまで見る。そして個別の違反の有無については司法当局が判断する、と整理すると分かりやすそうです。
公職選挙法の公示前と事前運動を調べて分かったこと【まとめ】
ここまで公職選挙法の公示前と事前運動について調べてきました。最初は私も「公示前は選挙に関係する活動をしてはいけないのかな?」と思っていましたが、実際のルールはもう少し細かく分かれていました。
- 選挙運動は立候補の届け出後からできる
- 届出前の選挙運動は事前運動として禁止される
- 公示前でも立候補や選挙運動の準備はできる
- 通常の政治活動まで一律に禁止されているわけではない
- 個別の行為は実際の内容や状況を見て判断される
特に印象に残ったのは、「公示前に行ったか」だけで事前運動かどうかが決まるわけではないことです。
街頭演説、ビラやポスター、SNS、後援会活動なども、それぞれにルールがあります。さらに、活動の時期や場所、方法、対象などを総合的に見て、実質的に選挙運動だったのかが問題になります。
「公示前だからダメ」と覚えるのではなく、「まだ選挙運動を始められない時期に、実質的な選挙運動をしていないか」を見ると、公職選挙法の事前運動を理解しやすいと感じました。
また、選挙管理委員会が個別のケースについて「違反」と最終決定するわけではありません。具体的な行為が選挙運動にあたるかは事実関係を踏まえて判断され、事件となった場合には捜査や司法手続きの中で判断されます。
ニュースで「公示前の活動」「事前運動の疑い」といった言葉を見かけたときも、一つの行為だけで結論を出さず、いつ・誰が・誰に・何を目的として行ったのかまで確認することが大切そうです。
- 東京都選挙管理委員会「選挙Q&A(選挙運動と政治活動)」
- 山口県選挙管理委員会「事前運動の禁止とはなんですか?」
- 山口県選挙管理委員会「政治活動用ビラを頒布する場合の規制」
- 山口県選挙管理委員会「ウェブサイト、SNS等による選挙運動」
※公職選挙法や事前運動に関する内容は、東京都・山口県の選挙管理委員会が公開している資料を参考に整理しています。


