生稲晃子氏と朝日健太郎氏をめぐり、公職選挙法違反の疑いが報じられました。
ニュースを見て気になったのが
「事前運動ってそもそも何?」
「選挙前に政治活動をすると違反になるの?」
という点です。
私も最初は、公示前に選挙を意識した活動をすること自体が問題なのかと思っていました。
しかし調べてみると、公職選挙法では通常の政治活動と選挙運動が分けられており、事前運動かどうかも単純には判断できないことが分かりました。
名前入りの「たすき」はなぜ注目されたのか、政党内部の集会なら問題ないのかも気になりますよね。
この記事では今回の報道を入口に、事前運動の意味や公職選挙法のルール、分かりにくい境界線まで初心者目線で整理していきます。
- 事前運動とは何かをやさしく整理
- 公職選挙法で禁止される理由を解説
- 政治活動と選挙運動の違いを比較
- 今回の報道の論点と説明を整理
事前運動とは?公職選挙法から生稲晃子氏らの報道を整理

生稲晃子氏らをめぐる今回の報道を見て、まず気になったのが「事前運動とは、そもそも何なのか?」という点です。選挙前に政治家が活動すること自体は珍しくありませんが、どこからが公職選挙法で問題となるのでしょうか。
ここでは、今回報じられた内容を確認しながら、事前運動の意味や禁止されている理由、注目された「たすき」などについて順番に整理してみます。
生稲晃子氏らに何があった?今回の報道を整理
今回問題が指摘されたのは、最近の出来事ではありません。報道によると、2022年5月20日に東京都内の明治座で開かれた観劇会に、生稲晃子氏と朝日健太郎氏が参加していました。
会場には参院選での勝利を呼びかける趣旨の掲示があり、両氏は自分の名前が入ったタスキを掛けて壇上で挨拶したと報じられています。
- 観劇会は2022年5月20日に開催
- 生稲氏と朝日氏が参加
- 参院選を意識した掲示があったと報道
- 両氏が名前入りのタスキを着用したと報道
ここで気になったのが「いつ行われたのか」です。2022年の参議院議員選挙は6月22日公示、7月10日投票でした。つまり、観劇会は公示日の約1か月前に開かれていたことになります。
問題になるのは、単に「公示前に政治活動をした」ということではありません。その行為が、特定の選挙で候補者を当選させるための「選挙運動」に当たるのかが、公職選挙法の事前運動を考えるポイントになります。
一方、生稲氏と朝日氏の事務所は、報道に対して都連内組織の集会であり、指摘されている懸念には当たらないという趣旨の説明をしています。
ここは慎重に見ておきたいところです。現時点で確認できるのは「公職選挙法違反の疑いが報じられた」段階であり、今回の報道だけから両氏が公職選挙法に違反したと断定することはできません。
私が確認した範囲でも、捜査機関や選挙管理委員会などが今回の件を「公職選挙法違反に当たる」と正式に認定した一次情報までは確認できませんでした。
私も最初は「公示前に選挙を意識した活動をすると事前運動になるのかな?」と思っていました。しかし、調べてみるとそれほど単純ではありません。重要なのは公示前だったかだけでなく、その行為が「選挙運動」に当たるのかという点です。では、公職選挙法でいう事前運動とは何なのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
そもそも事前運動とは何ですか?
今回の報道を理解するうえで、まず押さえておきたいのが「事前運動」という言葉です。私も最初は「選挙が始まる前に候補者が活動すること全般なのかな?」と思っていましたが、調べてみると少し違いました。
公職選挙法では、選挙運動ができる期間が決められています。基本的には立候補の届出が受理されてから、投票日の前日までです。この期間より前に、特定の選挙で特定の候補者を当選させる目的で選挙運動を行うことが、一般に「事前運動」と呼ばれます。
ただし、ここで注意したいのは「選挙前の政治活動=すべて事前運動」ではないことです。政治家や政党は普段から政策を訴えたり、活動報告をしたりしています。こうした政治活動まで一律に禁止されているわけではありません。
では何が選挙運動になるのでしょうか。一般的には、特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として投票を得るために行う活動かどうかが重要になります。
私も「公示前に名前をアピールしたら即アウト」と単純に考えていました。しかし、公職選挙法の事前運動を理解するには、時期だけでなく、その活動の目的や内容まで見る必要があると考えると分かりやすそうです。だからこそ、通常の政治活動との境界が次の疑問になってきます。
公職選挙法では事前運動をなぜ禁止している?
では、なぜ公職選挙法は事前運動を禁止しているのでしょうか。「選挙で自分をアピールするなら、早く始めてもいいのでは?」と私も疑問に感じたので、国会で示されている政府の説明まで確認してみました。
政府は、事前運動を禁止する理由として、大きく「選挙運動をできるだけ同じ時期にスタートさせること」と「選挙運動にかかる費用の増加を抑えること」を挙げています。2026年6月の国会答弁でも、この考え方が改めて示されています。
選挙運動を始められる時期を決めることで、候補者が際限なく早くから競争する状況を避けるという考え方です。
選挙運動が長期間続けば、その分だけ活動に必要な費用が増える可能性があります。期間を区切ることで、その増加を抑える狙いがあります。
ここは意外でした。私は最初、事前運動の禁止は単純に「選挙を公平にするため」だと思っていました。しかし政府の説明を詳しく見ると、候補者のスタート時期だけでなく、過度な競争や選挙運動費用の増加を防ぐという考え方まで含まれていることが分かります。
つまり、公職選挙法の事前運動禁止は、単に「選挙前だからダメ」というルールではありません。候補者がいつからでも自由に選挙運動を始められる状態を避け、一定の期間に区切って競争してもらう仕組みと考えると、法律の狙いが理解しやすくなりました。
名前入りの「たすき」はなぜ注目された?
今回の報道でもう一つ気になったのが、生稲晃子氏と朝日健太郎氏が自分の名前入りの「たすき」を着用していたという点です。「たすきくらいで、なぜ公職選挙法の問題になるの?」と思ったので調べてみました。
東京都選挙管理委員会によると、公職の候補者や立候補予定者などが通常の政治活動をする際、本人の氏名などを表示した「たすき」を使用することには規制があります。一方、選挙運動期間に入ると、候補者本人は選挙運動でたすきを使用できます。
たすきは単なる服装ではなく、候補者の名前を大きく表示する「文書図画」として公職選挙法の規制対象になります。そのため、「まだ選挙期間ではないから、名前入りのたすきを自由に使える」というわけではありません。
ただし、ここには注意点もあります。選挙管理委員会の案内では、政治活動のための演説会・講演会・研修会などの会場内で、その開催中に使用する場合には認められるケースも示されています。
つまり、今回も「名前入りのたすきを着けていた=それだけで事前運動が確定」と考えるのは早そうです。週刊文春が取材した専門家は、会場に参院選を特定する趣旨の垂れ幕があり、さらに両氏を特定する名前入りのたすきが使われていたことなどを合わせ、事前運動に当たり得るとの見方を示しています。
私も最初は「たすき自体が問題なのかな?」と考えていました。しかし調べてみると、たすきだけを切り取るのではなく、どこで、いつ、どのような目的・状況で使われたのかまで見る必要がありそうです。今回の報道でたすきが注目されたのも、こうした周囲の状況と組み合わされていたからだと整理すると分かりやすいと感じました。
生稲晃子氏らは今回の報道にどう説明している?
ここまで公職選挙法の事前運動について見てきましたが、では生稲晃子氏と朝日健太郎氏自身はどう説明しているのでしょうか。疑いが報じられている以上、報道側の指摘だけでなく、当事者側の説明も分けて確認しておきたいところです。
2026年10月1日の週刊文春の報道によると、同誌が両氏の事務所に質問したところ、2つの事務所から同じ内容の回答があったとされています。
問題となった観劇会は自民党東京都連内部の組織による集会であり、週刊文春が指摘するような懸念には当たらない、というのが両氏側の説明です。
つまり両氏側は、「公示前に選挙運動を行った」と認めているわけではなく、そもそも事前運動に当たるという見方を否定していると整理できます。
一方、週刊文春が取材した日本大学法学部の安野修右准教授は、都連内部の集会であっても、それだけで事前運動に当たらなくなるわけではないとの見方を示しています。ここで、両氏側の説明と専門家の見解が分かれているわけですね。
調べてみて大切だと感じたのは、「疑いが報じられたこと」と「公職選挙法違反が確定したこと」は別だという点です。2026年10月2日時点で確認できた公表情報では、今回の行為について捜査機関や裁判所などが違反と判断した事実までは確認できません。現段階では、両氏側の説明と報道で示された問題点をそれぞれ確認しておくのがよさそうです。
事前運動と公職選挙法の境界線は?今回の報道から考察

事前運動について調べていくと、意外と難しいと感じたのが「政治活動との境界線」です。公示・告示前だからといって、政治家がすべての活動を禁止されるわけではありません。
では、普通の政治活動がどこから「選挙運動」になり、公職選挙法上の事前運動として問題になるのでしょうか。今回の報道をきっかけに、その分かりにくい境界線についてもう少し掘り下げてみます。
公示前は政治活動をしてはいけないの?
結論から整理すると、公示・告示前だからといって、政治活動そのものがすべて禁止されるわけではありません。ここは私も最初に勘違いしていたところです。
東京都選挙管理委員会は、「政治活動」を政治上の目的をもって行う活動のうち、選挙運動に当たる行為を除いたものとして説明しています。一方の「選挙運動」は、特定の選挙で特定の候補者を当選させるため、投票を勧める活動と整理されています。
ただし、ポスターや看板など、活動方法によっては公職選挙法上の別の規制があります。
立候補届出前に選挙運動を行えば、「事前運動」として禁止の対象になります。
つまり、「公示前に活動したか」だけで線を引くのではなく、その活動が通常の政治活動なのか、それとも選挙運動に踏み込んでいるのかを見る必要があります。
さらに少しややこしいのが、通常の政治活動であっても何でも自由というわけではない点です。たとえば東京都選管は、平常時でも候補者や立候補予定者の氏名などを表示するポスター、看板、たすきなどについて、公職選挙法による規制があると案内しています。
「公示前=政治活動禁止」と覚えると、かえって分かりにくくなります。政治活動はできる。ただし、選挙運動になれば事前運動の問題が生じ、活動方法にも別の規制がある――この3つを分けて考えると、公職選挙法の仕組みがかなり見えやすくなりました。
「政治活動」と「選挙運動」は何が違う?
ここまで何度か出てきた「政治活動」と「選挙運動」。似た言葉なので、私も最初は「どちらも政治家が有権者に訴える活動では?」と思っていました。
東京都選挙管理委員会の説明を確認すると、実は公職選挙法では両者を分けて考えています。違いをつかむカギは、「特定の選挙」「特定の候補者」「投票を勧める」という点です。
| 比較 | 政治活動 | 選挙運動 |
|---|---|---|
| 中心となる目的 | 政策・政治上の考えなどを訴える活動 | 特定候補の当選を目的に投票を勧める活動 |
| 公職選挙法上の扱い | 選挙運動に当たる行為を除いた政治上の活動 | できる期間や方法にルールがある |
政治活動とは?
政治活動は、広くいえば政治上の目的をもって行われる活動です。東京都選管は、その中から「選挙運動にわたる行為」を除いたものを、公職選挙法上の政治活動として整理しています。
たとえば政策について意見を伝えたり、日頃の活動を報告したりすることまで、選挙が近いという理由だけで直ちに選挙運動になるわけではありません。ただし、政治活動にもポスターや看板などについて別の規制があるため、「政治活動なら何をしても自由」ではない点には注意が必要です。
選挙運動とは?
一方の選挙運動について、東京都選管は「特定の選挙で、特定の候補者の当選を図ることを目的に投票を勧めること」という考え方を示しています。つまり、単に政治について話しているのではなく、具体的な選挙と候補者への投票に結びついてくるわけです。
さらに選挙運動には、立候補届出後から投票日前日までという期間の制限があります。だからこそ、その前に選挙運動に当たる行為をすると事前運動が問題になります。
違いは「政治家が活動しているか」ではなく、何を目的として誰にどのような働きかけをしているのかを見ることが大切そうです。こう考えると、今回の報道で「集会だったから問題ないのか、それとも選挙運動に踏み込んでいたのか」が論点になっている理由も見えやすくなります。
政党内部の集会なら事前運動にならない?
今回の報道で特に気になったのが、両氏側が「都連内組織の集会」だったと説明している点です。私も最初は「一般の有権者を集めた選挙集会ではなく、身内の会合なら事前運動にはならないのでは?」と思いました。
ところが、公職選挙法を調べていくと、「政党内部の集会なら一律に事前運動にならない」という単純なルールではないことが見えてきます。
重要なのは、党内集会、後援会、政治活動といった形式的な名称だけではなく、実際にそこで何が行われたのかです。特定の選挙で特定候補を当選させるための投票獲得を目的とした活動なら、事前運動の問題が生じる可能性があります。
今回について、週刊文春が取材した日本大学法学部の安野修右准教授も、都連内部の組織による集会だからといって、当然に事前運動から除外されるわけではないとの趣旨の見解を示しています。
ただし、これは専門家による見解です。現在公表されている情報だけから、今回の観劇会が公職選挙法上の事前運動だったと確定的に判断することはできません。実際の判断では、集会の目的や内容、発言、選挙との結びつきなどを具体的に見る必要があります。
「身内の集会だからOK」「一般向けならNG」と参加者だけで線を引けるわけではないところが、公職選挙法の難しさなのだと感じました。集会の看板ではなく、実際の中身を見る――事前運動を考えるときは、この視点を持っておくと理解しやすそうです。
どこからが事前運動なのか判断するのは難しい?
ここまで見てくると、「では、どこからが事前運動なの?」という疑問が残ります。公職選挙法にすべてのケースを○×で判定できる一覧表があるわけではありません。実際、選挙管理委員会の説明を確認しても、個々の行為は具体的な状況から判断するとされています。
たとえば群馬県選挙管理委員会は、ある行為が選挙運動に当たるかについて、時期・場所・対象などを含め、その行為の実態を総合的に把握して判断すると説明しています。
時期
場所
対象
方法・内容
ここが公職選挙法を分かりにくく感じる理由の一つかもしれません。たとえば後援会活動や政策宣伝などは一般に政治活動として認められていますが、時期や方法、内容によっては選挙運動と判断される場合があります。
さらに、政府も国会答弁で、選挙運動に当たるかどうかは個別の具体的な事実関係に即して判断されるとの考え方を示しています。つまり、「この言葉を使えば必ず違反」「この集会なら必ず大丈夫」と形式だけで決められるものではないわけです。
私は最初、公職選挙法には事前運動を判定する明確な一本線があると思っていました。実際には、一つの行為だけを見るのではなく、その前後を含めた状況から実態を判断する仕組みになっています。今回の報道についても、一部分だけで結論を出さず、具体的な事実関係を見る必要があると考えると分かりやすそうです。
公職選挙法はなぜ分かりにくいと感じる?
ここまで調べてきて、私が一番感じたのは「公職選挙法は、ルールを一つ覚えれば判断できる法律ではない」ということでした。実際、自治体の選挙管理委員会も「政治活動」と「選挙運動」は実態としてよく似ていると説明しています。
分かりにくさの一つは、同じように見える活動でも、その目的や行われた状況によって扱いが変わり得るところです。たとえば政策宣伝や議会報告は一般に政治活動ですが、山口県選挙管理委員会は、時期や方法などによって選挙運動とみなされる場合があると案内しています。
- 政治活動と選挙運動が見た目だけでは区別しにくい
- ポスター・看板・たすきなど活動方法ごとの規制もある
- 具体的なケースでは状況を踏まえた判断が必要になる
さらに公職選挙法には、事前運動だけでなく、戸別訪問、文書図画、選挙事務所、寄附など、それぞれに細かなルールがあります。一般の有権者からすると、「何のための活動なのか」と「どんな方法を使ったのか」の両方を見なければならないため、複雑に感じるのも無理はなさそうです。
私は最初、「公示前ならダメ、公示後ならOK」のような分かりやすい線引きを想像していました。しかし実際には、時期だけでなく目的や方法まで確認する必要があることが分かりました。今回の報道が簡単に白黒をつけにくいのも、公職選挙法のこうした特徴が関係していると考えると理解しやすそうです。
【まとめ】今回の報道から事前運動と公職選挙法を考えてみた
生稲晃子氏と朝日健太郎氏をめぐる報道をきっかけに事前運動と公職選挙法について調べてみましたが、私が最も印象に残ったのは、想像していた以上に単純なルールではなかったことです。
- 公示・告示前でも通常の政治活動まで禁止されるわけではない
- 立候補届出前の選挙運動は「事前運動」として禁止されている
- 政治活動か選挙運動かは、目的や内容、時期などから判断される
- 名前入りのたすきなど、活動方法そのものにも公職選挙法の規制がある
- 今回の報道について、現段階で公職選挙法違反が確定したわけではない
私も最初は「公示前に選挙を意識した活動をすれば事前運動なのかな?」という程度の理解でした。しかし調べてみると、重要なのは一つの行為だけを切り取るのではなく、その目的や具体的な状況まで見ることだと分かりました。
もちろん、今回の件が最終的にどう評価されるのかは、現在公表されている情報だけでは断定できません。だからこそ、疑惑という言葉だけで判断するのではなく、何が公職選挙法上の論点になっているのかを知っておくことが大切なのだと思います。
選挙のニュースを見るときも、「違反の疑い」という結果だけを見るのではなく、なぜその行為が問題になったのか、当事者はどう説明しているのか、公職選挙法ではどのようなルールになっているのかまで確認する。今回調べてみて、そんな見方を持つことも大切だと感じました。
この記事を作成する際に、以下の報道・公的資料を参考にしました。

