「情報リテラシー」という言葉を聞いて、
「なんとなく意味はわかるけれど、簡単に説明するのは難しい」
と感じていませんか?
インターネットやSNSが身近になった今、情報を見つけるだけでなく、その内容が信頼できるのかを考え、安全に活用することも大切になっています。
とはいえ、
「情報リテラシーとは具体的にどんな力?」
「中学生にも必要?」
「メディアリテラシーや情報モラルとは何が違うの?」
など、疑問も多いですよね。
この記事では、情報リテラシーとは何かを簡単に理解できるように、基本的な意味や種類、身近な具体例、学校で必要な理由、似た言葉との違いまでわかりやすく整理します。
- 情報リテラシーの意味がわかる
- 情報を見極める力を理解できる
- 学校やSNSでの具体例がわかる
- 似た言葉との違いを整理できる
- 情報リテラシーの高め方がわかる
情報リテラシーとは?簡単に意味や基本を理解しよう

「情報リテラシー」という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような力を指すのかわからない人も多いのではないでしょうか。
情報リテラシーとは、簡単にいえば、必要な情報を探し、その内容を見極めて適切に活用する力のことです。
まずは基本的な意味や種類、どのような場面で役立つのかをわかりやすく整理していきましょう。
情報リテラシー = 「情報を集める → 確かめる → 整理する → 使う・伝える」ための力
情報リテラシーとは簡単に言うと何ですか?
情報リテラシーとは簡単に言うと、たくさんある情報の中から必要なものを選び、「これは信頼できるかな?」と考えながら役立てる力です。
たとえば、インターネットで「この食べ物を食べれば必ず○○になる」という情報を見つけたとします。情報リテラシーがあれば、その文章をすぐに信じるのではなく、「誰が書いたのか」「根拠となるデータはあるのか」「ほかの情報ではどう説明されているのか」を確認してから判断できます。
なお、「情報リテラシー」という言葉には、すべての場面で共通する一つだけの厳密な定義があるわけではありません。教育分野では、近い考え方として「情報活用能力」という言葉が使われています。文部科学省は現在、情報活用能力を「学習の基盤となる資質・能力」と位置づけ、情報の収集・整理・分析・表現・発信などに関わる力として扱っています。
必要な情報を探して正しく判断する力
情報リテラシーの基本になるのが、必要な情報を探し、その情報をそのまま信じずに判断する力です。
今は検索サイトやSNSを使えば、短時間で大量の情報を見つけられます。しかし、「見つかった情報=正しい情報」とは限りません。同じ出来事についても、発信する人や媒体によって書き方や取り上げる部分が違うことがあります。
| 確認したいこと | 簡単なチェック方法 |
|---|---|
| 誰が発信している? | 国や自治体、企業、専門機関、個人など発信元を見る |
| 根拠はある? | データ・調査・原文などが示されているか確認する |
| いつの情報? | 公開日や更新日を見て、古すぎないか確認する |
| ほかでも確認できる? | 一つだけで判断せず、複数の情報を比べてみる |
大切なのは、何でも疑うことではありません。「情報を受け取ったら、一度立ち止まって確かめる」という習慣を持つことです。
文部科学省も、学校教育における情報活用能力について、コンピュータなどを使って情報を得るだけでなく、情報を整理・比較し、得た情報を分かりやすく発信・伝達する力を育てることが重要だとしています。
検索が上手なだけでは、情報リテラシーが十分とはいえません。「探せること」と「信頼できるか判断できること」の両方が大切です。
情報を適切に活用・発信することも含まれる
情報リテラシーというと「情報の正しさを見抜く力」が注目されがちですが、それだけではありません。集めた情報を目的に合わせて整理し、自分の考えに生かしたり、相手に分かりやすく伝えたりすることも大切な部分です。
たとえば学校の調べ学習なら、インターネットで資料を探すだけで終わりではありません。いくつかの資料を比べ、必要な部分を整理し、出典にも気をつけながら、自分の言葉でまとめて発表するところまでが情報活用につながります。
また、情報を発信するときには、個人情報をむやみに公開しない、他人の写真や文章を勝手に使わない、相手を傷つける内容を投稿しないといった安全面やモラルも関係します。文部科学省は、情報モラルを情報活用能力の重要な要素とし、他者への影響や権利の尊重、危険の回避などを含む考え方として示しています。
情報リテラシーとは簡単に「ネットの情報を疑う力」だけを指すものではありません。必要な情報を集めるところから、確かめ、整理し、安全かつ適切に活用・発信するところまでを幅広く考えると理解しやすくなります。
「情報リテラシー」の言い換えは?
「情報リテラシー」は少し難しく聞こえるため、日常会話では「情報を扱う力」「情報を上手に活用する力」などと言い換えると伝わりやすくなります。
ただし、どの言葉も完全に同じ意味というわけではありません。相手や場面に合わせて、意味が伝わりやすい表現を選ぶのがポイントです。
もっとも簡単に説明したいとき
調べたり使ったりする力を表したいとき
学校教育などについて説明するとき
情報を扱う力・情報活用能力と言い換えられる
子どもや初心者に説明するなら、情報リテラシーとは簡単に「情報を上手に扱うための力」と表現するとイメージしやすいでしょう。
一方、学校教育では「情報活用能力」という言葉が使われています。これは、情報や情報技術を適切に活用して問題を見つけたり解決したりするために必要となる力を幅広く捉えたものです。
注意:「情報リテラシー」と「情報活用能力」は、使われる場面や定義によって範囲が異なるため、厳密には完全な同義語とは限りません。初心者向けには「近い意味の言葉」と考えるとわかりやすいでしょう。
「リテラシー」だけの場合との意味の違い
「リテラシー」と「情報リテラシー」では、言葉が指す範囲にも違いがあります。
| 言葉 | 簡単な意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| リテラシー | 物事を理解し、適切に扱う力 | さまざまな分野に使える |
| 情報リテラシー | 情報を適切に扱う力 | 情報に対象を絞った表現 |
つまり、「リテラシー」はより広い言葉で、「情報リテラシー」は情報に焦点を当てた言葉と考えると簡単です。
「金融リテラシー」「AIリテラシー」などのように、リテラシーの前に言葉を付けることで、「何について理解し、適切に扱う力なのか」が具体的になります。
情報リテラシーだけでなく、IT・メディア・金融・AIなども含めた「リテラシー」全体の意味や種類はこちらで整理しています。
情報リテラシーにはどんな種類がありますか?
情報リテラシーには、全国共通で「必ずこの4種類」と決められた分類があるわけではありません。そのため、情報リテラシーとは簡単に何ができる力なのかを考えると、「探す・見極める・活用する・発信する」という4つに整理すると理解しやすくなります。
必要な情報を見つける
信頼できるか考える
目的に合わせて使う
安全に相手へ伝える
情報を探す力
最初に必要なのは、自分が知りたいことに合った情報を見つける力です。ただ検索するだけでなく、「何を知りたいのか」をはっきりさせ、目的に合った情報源を選ぶことが大切です。
たとえば学校の制度を調べるなら、SNSの投稿だけを見るのではなく、文部科学省や学校など、その情報を直接扱っているところを探すという考え方です。
情報が正しいか見極める力
見つけた情報を「書いてあるから正しい」と考えないことも重要です。発信者は誰なのか、いつの情報なのか、事実と個人の意見が混ざっていないかなどを見ながら、どのくらい信頼できる情報なのかを考えます。
特にSNSでは、短い文章や画像だけが切り取られて広がることもあります。気になる情報ほど元になった資料まで確認する習慣が役立ちます。
情報を整理して活用する力
集めた情報は、そのまま保存するだけでは十分に活用できません。必要な部分を選び、似ている点や違う点を整理して、勉強・仕事・日常生活での判断につなげる力も情報リテラシーの一つとして考えられます。
複数の情報を集めるだけで終わらず、「自分が知りたいことに必要なのはどれか」を選び、判断や問題解決に役立てられている状態です。
情報を安全に発信する力
情報を受け取るだけでなく、自分が発信する側になったときの扱い方も大切です。SNSへの投稿やメッセージの送信では、一度広がった情報を完全に取り消すことが難しい場合もあります。
そのため、個人情報が含まれていないか、他人の写真や文章を勝手に使っていないか、誰かを傷つける内容になっていないかなど、送信する前に確認する習慣が役立ちます。
実際には「探す・見極める・活用する・発信する」はつながっています。情報を見つけるだけで終わらず、最後まで適切に扱えることが、情報リテラシーを身につけるうえで大切です。
情報リテラシーは何に役立つ?
情報リテラシーは、勉強や仕事だけでなく、買い物・SNS・ニュース・災害時の情報収集など、普段の生活でも役立つ力です。
特にインターネットでは、正確な情報だけでなく、間違った内容や広告、個人の意見なども一緒に目に入ります。情報リテラシーが身についていると、目の前の情報だけで行動せず、「自分にとって本当に必要で信頼できる情報なのか」を考えやすくなります。
SNSやインターネットの情報を判断しやすくなる
SNSでは、短くて分かりやすい投稿や驚くような内容ほど目に留まりやすいものです。しかし、多くの人に共有されていることと、内容が正しいことは別です。
情報リテラシーが役立つのは、こうした情報を見たときに、すぐ「本当だ」と決めつけずに考えられることです。
驚いたり不安になったりする投稿ほど、すぐに共有せず、元の情報を確認してから判断するのがポイントです。「今すぐ拡散して」と書かれていても、一度確認する余裕を持ちましょう。
これはニュースだけでなく、商品の口コミや健康情報、学校・地域についてのうわさなどを見るときにも役立ちます。
詐欺や誤った情報から自分を守りやすくなる
情報リテラシーとは簡単に考えると、情報を上手に使うだけでなく、情報によるトラブルを避けるためにも役立つ力です。
たとえば、「今日中に手続きしないと利用できなくなる」「当選したので個人情報を入力してください」といったメッセージを受け取ったとき、書かれているリンクをすぐに開くのではなく、公式サイトや正規の連絡先から確認するという行動につながります。
- 必要以上に不安や焦りをあおっている
- お金や個人情報の入力を急がせている
- うますぎる話なのに根拠がよく分からない
もちろん、情報リテラシーがあればすべての詐欺や誤情報を見抜けるわけではありません。それでも、「すぐに信じない・すぐに入力しない・迷ったら別の方法で確認する」という習慣を持つことで、自分を守るための一つの備えになります。
情報リテラシー不足で起こる困りごとは?
情報リテラシーが十分でないと、単に「調べものが苦手」というだけではなく、間違った判断をしたり、思わぬトラブルにつながったりすることがあります。
特に注意したいのが、情報を確かめないまま信じてしまうことと、自分から発信する情報の影響に気づかないことです。ここでは、身近に起こりやすい困りごとを具体的に見てみましょう。
誤った情報を信じてしまう
情報リテラシーが不足していると、インターネットやSNSで見つけた内容を、「書いてあるから本当だろう」と受け入れてしまいやすくなります。
たとえば、古くなった制度の説明を現在も有効だと思ったり、個人の体験談をすべての人に当てはまる事実だと受け取ったりすると、判断を誤る原因になります。
情報リテラシーとは簡単にいえば、こうした違いにも気づきながら情報を扱う力です。「正しい・間違い」の二択だけでなく、「今の情報だけでは判断できない」と考えられることも大切です。
個人情報や情報発信でトラブルになる
もう一つ注意したいのが、自分が発信する情報から起こるトラブルです。自宅の住所や電話番号を直接書いていなくても、投稿内容から思わぬ情報が伝わることがあります。
たとえば、制服が写った写真、よく利用する場所、毎日の行動パターンなど、複数の投稿を組み合わせることで、本人が公開するつもりのなかった情報まで知られてしまう可能性があります。
SNSへ投稿する前には、文章だけでなく、写真の背景・位置が分かる情報・他人の顔や名前なども確認しておくと安心です。
また、よく確認していない情報を自分が拡散すると、結果として誤った情報を広めてしまうこともあります。
大切なのは、失敗をゼロにすることではありません。「受け取る前に確かめる」「発信する前に見直す」という小さな習慣を持つことが、情報リテラシー不足による困りごとを減らす第一歩になります。
情報リテラシーとは?簡単に具体例や違いを整理

情報リテラシーは、難しい知識だけを意味するものではなく、学校生活やSNS、インターネットなど身近な場面にも深く関係しています。
たとえば、怪しい情報をすぐに信じないことや、個人情報をむやみに公開しないことも大切な行動です。
ここでは、情報リテラシーとは何かを簡単に理解できる具体例とともに、メディアリテラシーや情報モラルとの違いも見ていきましょう。
中学生にとって情報リテラシーとは何ですか?
中学生にとっての情報リテラシーとは、難しい専門知識を覚えることではありません。調べた情報を自分なりに確かめ、勉強や生活の中で適切に使う力と考えると簡単です。
たとえば宿題で調べものをするとき、SNSで話題を見かけたとき、動画で知らないことを知ったときなど、日常のさまざまな場面で情報リテラシーが関係します。
- 検索結果をそのままコピーしない
- 「誰が発信した情報か」を意識する
- SNSで見た話をすぐ友だちに広めない
- 分からない情報は先生や家族にも確認する
調べ学習で情報の出どころを確認する
学校の調べ学習では、検索して答えを見つけるだけでなく、「その情報を誰が出しているのか」まで確認することが大切です。
たとえば人口について調べるなら国や自治体の統計、地域の制度なら自治体の公式ページというように、調べる内容によって参考にする情報源を考えます。
検索結果の上に表示されたページが、必ず一番正確とは限りません。作成者・出典・更新時期なども見ながら、調べ学習に使える情報か考えてみましょう。
また、参考にしたページや資料を記録しておけば、「どこから得た情報なのか」を後から確認できます。これは自分の考えと他の人が作った情報を区別するうえでも役立ちます。
SNSの情報をすぐに信じず考える
SNSでは、友だちから届いた投稿や多くの人が共有している情報でも、内容が正しいとは限りません。写真や動画が付いているだけで「本当だ」と決めつけないことも大切です。
特に、誰かのうわさや学校に関する情報などは、間違っていた場合に相手を傷つけてしまうことがあります。「本当かな?」と思ったら、広める前に確かめるという行動が重要です。
中学生の情報リテラシーは、何でも疑うことではありません。「見る → 少し考える → 必要なら確かめる」という習慣を身につけることが、情報と上手に付き合うための基本になります。
情報リテラシーは学校で必要?
情報リテラシーは、学校でも大切な力です。現在の学習指導要領では、近い考え方である「情報活用能力(情報モラルを含む)」が、すべての学習の土台となる力の一つとして位置づけられています。
つまり、パソコンやタブレットを操作できれば十分というわけではありません。必要な情報を集めて考えたり、安全に情報を扱ったりする力まで、学校生活のさまざまな場面に関係しています。
情報リテラシーとは簡単に、「情報を使って学ぶための力」と「情報社会で安全に行動するための力」の両方に関係すると考えるとわかりやすいでしょう。
学習や情報収集に役立つ
学校では、国語や社会、理科、総合的な学習など、さまざまな場面で情報を使います。そこで必要になるのが、「何を調べればよいか」を考え、集めた情報から必要な内容を選ぶ力です。
文部科学省も、情報活用能力には、情報を集めるだけでなく、整理・分析・表現し、問題の発見や解決、自分の考えをつくることまで含まれるとしています。
そのため、情報リテラシーは「情報」という名前の付いた授業だけで学ぶものではなく、いろいろな教科を学ぶときにも役立つ力といえます。
インターネットを安全に使うためにも大切
学校で情報リテラシーが必要とされるもう一つの理由が、インターネットやICTを安全に利用するためです。
現在の学校教育では、情報活用能力の中に情報モラルや情報セキュリティに関する力も含めて考えられています。SNSなどの情報手段について学び、責任を持って情報を扱うことも重要な学習内容です。
2026年9月時点では、次期学習指導要領に向けた検討でも、情報活用能力の向上やメディアリテラシー・情報モラルの強化が議論されています。ただし、まだ改訂に向けた検討段階であり、最終的な学習指導要領として確定した内容ではありません。
インターネットを「使える」ことと「安全に使える」ことは同じではありません。学校で情報について学ぶことは、授業を進めるためだけでなく、子どもが自分で考えて情報社会と付き合っていくためにも大切なのです。
個人情報を簡単に言わないことも情報リテラシー?
はい、自分や他人の個人情報をむやみに公開しないことも、情報を適切に扱うという意味で情報リテラシーと深く関係しています。
ただし、「個人情報は絶対に誰にも教えてはいけない」という意味ではありません。学校への手続きや商品の配送など、必要な場面もあります。大切なのは、「誰に・何のために・どこまで伝えるのか」を考えてから情報を渡すことです。
「個人情報を言わない」だけでなく、「必要性を考えて適切に扱う」ことがポイントです。これは情報リテラシーを実生活で使う身近な例といえます。
名前や住所などをむやみに公開しない
名前や住所、電話番号、メールアドレスなどは、本人と結び付く大切な情報です。SNSや掲示板など多くの人が見られる場所では、「誰が見る可能性があるのか」を考えてから公開することが重要です。
また、個人情報というと住所や電話番号だけを想像しがちですが、学校名や勤務先など、ほかの情報と組み合わせることで本人を特定する手掛かりになるものもあります。
写真や投稿から伝わる情報にも注意する
注意したいのは、文章として書いた情報だけではありません。写真や動画、投稿した場所・時間などから、意図していなかった情報が伝わることもあります。
たとえば、自宅周辺の特徴が写り込んだ写真や、学校・職場が推測できる写真を繰り返し投稿すると、複数の情報が組み合わさって生活範囲などを推測される可能性があります。
写真に友だちの顔や名前、持ち物などが写っていることもあります。「自分が公開してよい情報か」だけでなく、「ほかの人の情報を勝手に出していないか」まで考えることが大切です。
情報リテラシーとは簡単に、情報を読む側だけでなく「自分が情報を出す側になったときにも、適切に扱える力」と考えるとわかりやすいでしょう。
情報リテラシーとメディアリテラシーの違い
情報リテラシーとメディアリテラシーはよく似ていますが、どこに重点を置くかに違いがあります。
簡単に整理すると、情報リテラシーは情報を探す・理解する・活用するなどの幅広い力、メディアリテラシーはテレビ・新聞・SNSなどを通して伝えられる情報を読み解く力に重点を置いた考え方です。
| 比較 | 情報リテラシー | メディアリテラシー |
|---|---|---|
| 中心となる考え方 | 情報を適切に扱う | メディアから伝わる情報を読み解く |
| 対象 | さまざまな情報や情報源 | 新聞・テレビ・Web・SNSなど |
| 身近な例 | 必要な資料を選んで活用する | ニュースの見せ方や伝え方を考える |
情報リテラシーは情報を扱う幅広い力
情報リテラシーは、インターネット上の情報だけに限られません。統計、資料、ニュース、書籍なども含め、目的に合った情報を扱い、自分の判断や行動につなげていく力を幅広く表します。
たとえば旅行先を決める場合でも、交通機関の時刻、料金、天候、観光施設の案内など、種類の異なる情報を組み合わせて判断します。このように、情報を現実の目的に役立てる場面にも情報リテラシーが関係しています。
ポイント:情報リテラシーとは簡単に、「情報を見る力」だけではなく、必要な情報を扱って判断や行動に生かすところまで含むと考えるとわかりやすいでしょう。
メディアリテラシーは情報の伝わり方を読み解く力
一方のメディアリテラシーでは、情報の内容だけでなく、「どのようなメディアから、どのような形で伝えられているのか」にも目を向けます。
同じ出来事を扱っていても、テレビニュース、新聞記事、SNSの短い投稿では、伝えられる情報量や表現方法が異なります。また、見出しや写真、取り上げる部分によって、受け取る印象が変わることもあります。
「何が書かれているか」だけを見るのではなく、なぜこの見出しなのか、どの部分が強調されているのか、伝えられていない部分はないかと考えるのが、メディアリテラシーの身近な使い方です。
ただし、この2つを完全に別々の力として切り分ける必要はありません。実際には重なる部分も多く、情報リテラシーという幅広い考え方の中で、メディアから受け取る情報を読み解くときにメディアリテラシーが特に重要になると整理すると理解しやすくなります。
情報リテラシーと情報モラルの違いは何ですか?
情報リテラシーと情報モラルは、どちらも情報社会で大切ですが、意味は少し異なります。
簡単に分けると、情報リテラシーは「情報を適切に扱うための力」、情報モラルは「情報社会で適切に行動するための考え方や態度」に重点があります。
情報リテラシーは情報を適切に扱うための力
情報リテラシーでは、集めた情報を理解したり、目的に合わせて使ったり、自分の判断につなげたりする力が中心になります。
たとえば、学校の発表で複数の資料から必要な内容を選び、分かりやすくまとめる場面を考えてみましょう。ここでは、「どの情報を使えば目的を達成できるか」を考える力が必要です。
情報リテラシーとは簡単に、情報を持っているだけでなく、それを適切に扱える力と考えるとわかりやすいでしょう。
そのため、情報リテラシーは「ルールを守れるか」だけを意味する言葉ではありません。情報を使って学んだり、考えたり、問題を解決したりする場面まで広く関係します。
情報モラルは情報社会で守る考え方や態度
一方、情報モラルでは、情報を使うときの責任や相手への配慮、安全について考えて行動することが重要になります。
文部科学省では、情報モラルを、情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方や態度として位置づけています。学校教育では、他人の権利を尊重することや、情報を発信するときの責任、危険を避けることなども関係します。
資料を上手にまとめられることは情報リテラシーに関係します。一方、その資料を使うときに他人の文章や画像を自分のもののように扱わないことは、情報モラルにも深く関係します。
つまり、情報リテラシーと情報モラルは競い合う別の考え方ではなく、情報を上手に使うことと、責任を持って使うことを支える関係にあります。
覚え方:「情報をどう扱う?」なら情報リテラシー、「その行動は相手や社会にとって適切?」なら情報モラルと考えると、違いを整理しやすくなります。
情報リテラシーを簡単に高めるには?
情報リテラシーを高めるために、難しい勉強から始める必要はありません。大切なのは、普段インターネットやSNSを使うときに、「そのまま受け取らず、一度考えてから行動する」習慣をつくることです。
特に意識したいのは、発信元を確かめる・別の情報と比べる・発信する前に考えるという3つです。毎日の小さな行動なので、中学生から大人まで実践できます。
確かめる
比べる
考えて行動する
情報の発信元や根拠を確認する
最初に身につけたいのが、情報そのものではなく「その情報を支えているもの」に目を向ける習慣です。
たとえば「○○すると効果がある」という記事を見つけた場合、文章が分かりやすいかだけでなく、誰がその説明をしているのか、何をもとに結論を出しているのかまで見るようにします。
「データがあります」「専門家も言っています」と書かれていても、それだけで判断するのではなく、元になった資料や説明までたどれるかを意識すると、情報の確かさを考えやすくなります。
複数の情報を比べてから判断する
次に大切なのが、一つのページだけで答えを決めないことです。ただし、同じ内容のページをたくさん集めればよいわけではありません。
おすすめなのは、役割の異なる情報を比べることです。たとえば制度について調べるなら公式の説明を中心にしながら、実際の使い方を知りたい場合は解説記事なども参考にする、といった考え方です。
複数の情報を見る目的は、多数決をすることではありません。共通している部分と、説明が分かれている部分を見つけることで、「どこまで分かっているのか」を整理しやすくなります。
情報が食い違っている場合に、無理にどちらかを選ばず、「今の段階では判断を保留する」という選択ができることも情報リテラシーの一つです。
発信する前に内容や相手への影響を考える
情報リテラシーを高めるうえでは、情報を受け取るときだけでなく、自分が発信者になるときの習慣も重要です。
SNSへの投稿やメッセージは、送った瞬間に自分の手元を離れます。冗談のつもりでも違う意味で受け取られたり、限られた相手に送った内容が別の場所へ伝わったりする可能性も考えておきましょう。
「正確な内容か」「相手を傷つけないか」「ほかの人に見られても困らないか」を一度考えるだけでも、情報との付き合い方は変わります。
情報リテラシーとは簡単にいえば、知識をたくさん覚えることではなく、情報に触れるたびに少し考える習慣を身につけることです。「確かめる・比べる・考えて行動する」を繰り返すことが、情報リテラシーを少しずつ高めることにつながります。
情報リテラシーとは?簡単に理解するためのまとめ
情報リテラシーとは簡単にいえば、必要な情報を集め、その内容を考え、適切に活用・発信するための力です。
インターネットやSNSには便利な情報がたくさんありますが、すべてが正確とは限りません。また、自分が発信した情報が、思わぬ相手に伝わることもあります。そのため、情報を受け取る側と発信する側の両方で、少し立ち止まって考えることが大切です。
- 情報リテラシーは情報を適切に扱うための幅広い力
- 学校の学習や日常生活、SNSなどさまざまな場面で役立つ
- 情報をすぐに信じず、必要に応じて確かめることが大切
- 個人情報や写真などを発信するときにも注意する
- 情報モラルやメディアリテラシーとも深く関係している
情報リテラシーを身につけるために、最初から完璧に情報を見分けられる必要はありません。「これは本当かな?」「ほかの情報も見てみよう」「このまま発信して大丈夫かな?」と考えるだけでも、大切な一歩になります。
覚えておきたいこと:情報リテラシーとは、情報をたくさん知っていることではありません。情報に振り回されず、自分で考えて適切に扱うことが何より大切です。
まずは普段の検索やSNSから、情報を「確かめる・考える・適切に使う」ことを少しずつ意識してみましょう。


